トリプルLIFE

ひとり親家庭を切り盛りする母が実際の経験をもとに書くブログです。

  

母子生活支援施設利用者の年齢層や人物像とは

今回は、実際に母子生活支援施設で生活していて見えてきた利用者について同じ利用者(だった)目線で書きたいと思います。

母子生活支援施設に入所している世帯の子どもの年齢層

乳児から高校生までと幅広く暮らしています。

私が利用し始めたころは、当時1歳2か月であった息子が最年少でした。

 

しかしその後数年の間に、さらに小さな子を連れた世帯の入所もあり、1歳に満たない乳児を連れたお母さんもいました。

一番多い年齢層では、年中~小学校低学年くらいの子だったように思います。

子どもの下限年齢もある?

場所にもよりますが、生後2か月過ぎないと母子生活支援施設の利用は断られる可能性があります。

母子生活支援施設とは、「母子の精神的・経済的自立を促進のために支援する施設」です。

 

生後間もない乳児を抱える母親は、施設の本来の目的から外れてしまいます。というのも、現実問題産後2か月の母親に「自立のために支援」できないからです。保育所を利用するにしても生後3か月以降でないと預けることができない場合が多いですし、何より母体の回復もまだである時期です。

ということで、生後間もない乳児を抱える世帯は「婦人保護施設」での入所を勧められることもあります。

婦人保護施設とは

都道府県により設置される要保護女子および同伴児童を収容保護するための施設である。 婦人保護施設の施設設備・運営等については、「婦人保護施設の設備及び運営に関する基準(平成14年3月27日厚生労働省令第49号)」に定められている。 婦人保護施設は、入所者に対し、健全な環境のもとで、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員により、社会において自立した生活を送るための支援を含め、適切な処遇を行うよう努めなければならない。 引用元:婦人保護施設 - Wikipedia より

生活保護を受けて入所という選択もある

全国民のセーフティーネットである「生活保護」

この制度に対して一部の反対派の人も見受けられますが、私は「致し方ない」のではないかと思っています。今の時代、配偶者や親、親族などからのDVで着の身着のまま子どもだけを連れて逃げてくる人も珍しくありません。実際に私の周りにも多く、友人や職場の同僚、同僚の友人など、本当によく聞く話なのです。

そういった人で入所の希望者が多いと、母子生活支援施設と婦人保護施設では比例して入所率が上昇します。

 

そうなりますと、もともとの受け入れ人数の少ない婦人保護施設ではすぐに利用者でいっぱいになってしまい、乳児を抱えた母親でも母子生活支援施設に入所させる手続きをせざる負えなくなってしまうのです。

その場合には、仕事ができなくても生活することができるように生活保護の手続きを一緒に行ってくれるのです。(生後間もない乳児を抱えているのですから仕方ないですね。)

ただ、働ける状態の人が生活保護の受給を希望しても簡単に受給できるものではありませんので、注意が必要です。

 

 

1世帯当たりの子どもの人数

我が家がお世話になっていた施設では、3種類の間取りで居室が用意されていました。もっとも広い間取りでも、8畳・4.5畳とキッチンの2Kでした。(バストイレ付)

施設によって1世帯当たりの受け入れ人数が決まっているかも

私が利用した施設では、部屋の間取りの関係もあって、子ども3人までの世帯を対象(母親入れて4人)としていました。

2Kで家族4人は決して広くないですね。

 

多くの家庭で子どもは複数(多くは2~3人)おり、一人っ子の家庭で利用されている家庭もありましたが、かなり少数派でした。

ごくごくまれに4人の子を連れた母親の利用もありましたが、すべての子どもの年齢が小さく、うち一人が1歳未満の乳児であったり、家族で暮らすのに狭くなりすぎないような場合のみ入所させていた感じです。

大きな子どもですと同じ間取りでも手狭になりますからね。

母子生活支援施設の間取り

母子生活支援施設は、すべての施設が同じ間取りではありません。

  • 1部屋しかないところもあれば、複数の部屋があるところもあります。
  • トイレやお風呂が付いているところもあれば、共同のところもあります。
  • 新築のところもあれば、築40年を超えたようなところもあります。

基本的には居住地の施設を利用することになりますので、利用者側からの間取りなどの希望はほぼ通らないでしょう。

ですが、子どもの人数と年齢によっては狭すぎない部屋では用意してもらえます。

 

施設により間取りや部屋数が異なるので、かならずではありませんが、目安としては母+子ども3人(中学生・小学生・小学生)の家庭でしたら、2Kの部屋を準備してもらえるでしょう。

狭すぎませんが、決して広くもない場合があります。ですが、一時的な住まいでもあるので、ある程度は妥協するべきでしょう。

なお、子どもの人数が多く「狭すぎる」と判断された場合は、近隣の他の母子生活支援施設を斡旋されるか、自治体の支援の下、一般の賃貸に入居する方法がとられます。

 

 

母子生活支援施設に入所している母親

母子生活支援施設を利用している母親についても書いていきたいと思います。

母親の年齢層

私が利用していた時は、30代~40代くらいの人が多くを占めていました。上にあげた子どもの年齢層を考えると、まあこのくらいですね。私もこの枠に入っていました。

ただ、施設や地域によって年齢層にばらつきがあるかもしれません。

入所している家庭の母親はどんな人が多い?

近年、母子生活支援施設で暮らしている世帯の母親の多くは夫からのDV・モラハラにから逃れるために入所しています。入所中に調停や裁判を行って、離婚に向けて戦っている人も多いです。

ということで、意外かもしれませんが(まだ離婚成立していないため)「既婚者」が多くを占めるのです。正確にいうのであれば、「プレ母子家庭の母」でしょうか?

 

もちろんほかの理由(経済的理由や障碍者世帯など)で入所されている家庭もありますので、全員が既婚者というわけではありません。

 

 

母親はどんな仕事をしているのか?

母親自身の病気や障碍のため働くことのできない場合は、生活保護を申請して受給が認められれば保護費で生計を立てることができます。

しかし、母子生活支援施設に入所している人すべてがそうとも限らないのです。

働くことのできる母親は、仕事を探してきて働かなくてはなりません。(当たり前ですけどね。)

 

ですが、調停や裁判を控えた人や小さな子どもを抱えた人など、時間に融通の利く仕事しかできない場合もあります。また、母子生活支援施設そのものが仮住まいでもありますので、ゆくゆく引っ越しをすることを考えると「定職」に就くことためらってしまいます。

ですので、仕事をしている母親は

  • アルバイト・パート
  • 短期間の派遣

など、腰を据えて働く正社員ではなく、いつ引っ越しになっても対応できるようにあえてアルバイト、パート、派遣で働いている人ばかりでした。

職種は知る限りですが、

  • コンビニ、スーパー
  • 派遣先の工場
  • 医療事務
  • 美容院
  • 飲食店
  • 養護学校の給食施設
  • 介護施設

などでした。

 母子生活支援施設のリアルな退所理由は意外にも…

実際に入所していないと知ることができない情報かもしれません💦

先にも書きましたように、あくまでも一時的な住まいであるので、必ず退所をしなくてはならない時期がやってきます。退所しなくてはならない場合は、

  • 子どもが18歳を迎えたとき(高校卒業後)
  • 経済的に自立できるとき
  • 母親が婚姻するとき
  • 子どもを他の施設に入所させ、母親一人の生活になる時
  • 夫や元夫と復縁する場合(離婚の意思がないとき)
  • 母親の死亡時(子どもは児童養護施設へ移動)
  • その他、施設内で秩序を乱したとき

などとなります。

制度上、一番の理想は「経済的に安定しての退所」でしょう。ですが、実際には

  • 夫や元夫のもとに帰る
  • 母親の婚姻
  • 子どもの年齢が18歳になった

ことによる退所が目立った印象でした。私はもちろん、自立での退所です(;^_^A

母子生活支援施設の役割と特徴 - トリプルLIFE

 

さいごに

今回も、母子生活支援施設を利用した経験をもとに記事を書かせてもらいました。

母子生活支援施設は、

  • 家賃がかからないまたは格安
  • 近所がみんな母子世帯
  • いざとなれば職員の手助けがある
  • 子どもに対しての行事や学習支援がある
  • 時々食料品などの寄付がある

など、様々な支援や援助がありますので正直に言いますと「わりと居心地が良い」です。

ですが私は、自分で生計を立てて子どもたちを育てると決めての入所でしたので、支援はありがたく受けつつもぬるま湯につかり過ぎないうちに退所することも決めていました。

これからもし利用を検討されている方がいましたら、入所中の施設内での生活・対人関係や、退所後の生活も考えたうえでの利用をお勧めします。