熱帯低気圧から変化した台風15号は私が暮らす地域に大雨を降らせました。
今年は、常に日本のどこかで「記録的短時間大雨情報」や「線状降水帯」などの情報が聞かれましたが、まさか自分の身に降りかかるとは思っていませんでした。
そして、「最大級の台風14号」の直後の「低気圧から変わったばかりの台風」ということでギャップの大きさから完全に油断をしていたのです。
今回は、そんな台風15号が残した爪痕を書いていきたいと思います。
- 2022年台風15号 線状降水帯による大雨の影響
- 停電の原因は?
- 避難所は開設されたのか
- 近隣の小売店は営業できたのか?
- 交通網
- 停電・断水の時におこなわれた措置
- 災害に対し危機感があったのか?
- さいごに
2022年台風15号 線状降水帯による大雨の影響
私が暮らす地域では観測史上初の記録的な大雨となりました。
普段ならはっきり見ることができる近所の山々やマンションの明かりも全く見えないくらいの大雨で、「バケツの水をひっくり返したくらいの」…という以上のものでした。
我が家は、市内でも比較的高台にありますが、近所ではひざ丈くらいまで冠水していました。幸い、浸水までには至りませんでしたが、娘の同級生の家では浸水してしまったという話も聞かれました。
風はそれほど強くはありませんでしたが、雨足はとても強く、
下手したら屋上が破損して雨漏りしてしまうのではないか?
と心配になり、なかなか眠ることができないほどでした。
停電
深夜2時ごろ、停電。
しかし私自身は停電前には就寝してしまっていたので、停電の事実を知るのは明け方4時ごろでした。
雨が強くなってきた時点で「停電するかも…」とは思っていたものの、水の汲み置きや簡単な食事の準備をするまでには至らずだったため、明け方から悩まされることになりました。
またテレビもつかず、Wi-Fiも利用できなくなりましたので、ネット接続もモバイル頼みとなってしまいました。
断水
我が家は4階建て県営住宅であるため、水道水はポンプでくみ上げられています。ですので、停電になると自動的に「断水」にもなってしまいます。
断水になることで飲み水はもちろん、生活用水も入手できません。
スマートフォンの通信障害
スマートフォンが使えなくなった頃にはすでにWi-Fiもダメでしたので、わが家ではラジオでしか情報の入手ができない状態になってしまいました。しかし、そのラジオもなかなかチューニングができない状態であり、やっと聞こえる番組があったところで災害情報は全く行われていませんでした。
スマートフォン自体の回線がダウンしてしまったことで、我が家はいよいよ情報を得るすべがなくなってしまいました。
停電の原因は?
後日知ることになった停電の原因は、「送電線の鉄塔が2基倒れてしまった」ことからでした。
県内では、「記録的短時間大雨情報」が30回以上出されるほどの大雨でした。自宅内にいても身の危険を感じるほどでしたが、鉄塔のある山間部では土砂崩れも簡単に起きてしまうほどだったのです。そして送電線の鉄塔が土砂崩れに巻き込まれたことで大規模停電が起きてしまったとのこと。
そしてこの送電線が、市内の基幹のものだあったため、市内のほとんどの世帯で停電が起きてしまいました。
避難所は開設されたのか
停電前にすでに市内各所で避難勧告が出されていました。しかし、大雨にうたれながら真夜中に移動することは現実的に「危険」であり、わが家を含む多くの家庭で「自宅待機」をしていたと思われます。
夜が明け、なお停電が続き加えて断水していたこともあり、一応避難所の様子を見に行ってみましたが、避難所は開設されておらず、代わりになぜかスポーツチームの練習が行われていました。もちろん停電断水中です。…どういうこと?💦
近隣の小売店は営業できたのか?
近隣のコンビニをはじめ、スーパーや100円ショップも停電になっていたため、大きな影響がありました。
コンビニ
コンビニは停電中でも営業している店舗が多く、駐車場も常に満車でした。
コンビニは大きなガラス窓が前面にあるため、日中は明かりが無くても比較的明るく、手計算にはなってしまうものの現金を持っていれば利用できる感じでした。
スーパー
近隣のスーパーは軒並み「閉店」していました。冷蔵物、冷凍ものは商品の安全が保障できないという理由で販売できず、乾物などの常温保存品に至っても店舗内での混乱を避けるためだったのか販売には至りませんでした。店舗入り口には「安全が確認されるまで営業を控えます」とだけ書かれていました。
ホームセンター
わが家はIHヒーターを使っているため、停電になってしまうとお湯を沸かすことすらできなくなってしまいます。カセットコンロの準備をしていなかった自分が悪いのですが、停電になってからカセットコンロの入手を試みました。
ところが、ホームセンター自体も停電しており、商品を求める人の列ができていました。
なぜ並んでいる?と思ったのですが、
- 店内が暗いため、お客さん1組につき従業員1人付いて店内を一緒に行動する
- クレジットカード等使用できないため手計算で現金払い
- 店員数も少ない
というのが理由であったようです。
私も並ぼうかとは思ったのですが、商品購入までおそらく1時間以上かかりそうだったこと、店内に入れたとしても目当ての商品が完売してしまっている可能性が高いことから購入をあきらめて帰宅することにしました。
交通網
JRをはじめ、ローカル私鉄、バスのほとんどの交通網がストップしていました。停電中の主な移動手段は徒歩、自転車、自動車となりましたが、道路の信号機も停電の影響を受けて交通量の多い大きな交差点以外の場所では止まっていました。
普段の交通ルールにのっとり、ドライバーの判断で安全に気を付けて行動する必要がありました。
できることならこういう時は出歩かないほうが良いのかもしれませんが、生活を維持するためにも仕方がない場合もあります。この日ばかりは、いつも以上に周りをよく見て行動しました。
停電・断水の時におこなわれた措置
私が暮らしている県営住宅内には共益費で賄われいる「外水道」があり、普段は共有部分の清掃時に使用したりしていますが、断水時にはこちらの水道のみ使用することができました。
飲料水としては向かないものですが、生活用水としては充分に使用できるのもでありましたので、トイレの洗浄や手洗い用に汲み置くことができました。
組長さんの迅速な判断のおかげでとりあえずの水には困ることはありませんでした。
ただ、停電に関してはどうすることもできず。避難所も開設されていない状態ではただただ通電を待つのみでした。
私の暮らしている地区では、断水も停電が原因としたものでありましたので、通電後は解消されましたが、一部地区ではもっと深刻な断水をしている場所もあり、配水車が出動するまでになりました。
災害に対し危機感があったのか?
実際のところ、住民側は「危機感がなかった」と思います。私自身もそうです。
というのも、台風14号の時には「最大級の注意を」「特別警報級」と何度となくテレビやネットでも言われていました。ところが直後の15号に関しては「雨に気を付けて~」くらいのアナウンスでした。
その証拠に予想雨量をはるかに上回る雨量を記録してしまったからです。
職場の保育園でも「大雨が降るかも」「万一、高齢者等避難情報が出たら園児のお迎えを要請します」くらいのものであり、まさか停電によって休園になるとは予想できていなかったのではないかと思います。(災害時のマニュアルはありますので対応はできます)
我が家では普段であれば災害対策として、水の汲み置きを始め、おにぎりなどの軽食の準備、停電対策として冷蔵庫に入れる氷の用意なども行うのですが、今回の台風15号ではこれらの準備をおこなうほどではないと判断してしまったのです。
残念ながら、そのくらい危機感を感じていなかったのは事実です。
さいごに
大雨の土砂崩れによって送電線の鉄塔が倒れてしまったことから停電になってしまった市内ですが、およそ12時間後に大部分の地域で復旧しました。鉄塔被害もかなりのものでしたが、その割には迅速に対応してもらえたことが何よりありがたいと感じました。
電気が復旧してからは水道も問題なく出るようになりましたので、わが家は徐々に普段の生活に戻ることができました。
まだまだ水が出ない地域もありますし、浸水被害にあわれて片付けに苦労している家庭もあります。我が家も停電、断水という被害には会いましたが、自宅内での被害は全くありませんでしたし、子どもたちも体調を崩すことなく元気でいてくれましたので、たいしたことなく済んで良かったなと感じています。
あと反省点として、カセットコンロの準備はしておこうと思ったおやっさんなのでした。