おやっさんのトリプルLIFE

ひとり親で2児を育てている母が実際の経験をもとに書くブログです。ひとり親の母としてのこと、たくましく生きる子どもたちのこと、ブログをしていて学んだことなどを綴っていきたいと思います。

元夫からのDV・モラハラから逃れお世話になった女性保護施設はこんなところ

今回のお話は「書くべきか」「書かないでおくべきか」悩みに悩んだ内容です。

と、言うのも『女性保護施設いわゆるシェルター』と呼ばれるところは、その特性上「場所を明かしてはならない」とされているからです。

 

しかし、保護施設内の内容に関してはネット上でもいくらか出回っている様子ですので、今回は実際の体験談を書いてみようと思います。

 

 

場所は極秘 他言無用

まずは、女性保護施設の所在地ですが、私のように「夫のもとから逃れてくる人」も少なくない施設のため、居場所が特定されにくいように住所や電話番号は非公開とされています。

もしかしたら近所に住む住人はうすうす「シェルターかな?」と感じている人もいるかもしれませんが、基本的には外観でもそうとは思わせないような造りとなっている場合がほとんどです。

 

女性保護施設を利用するには



最寄りの配偶者暴力センター、警察署、婦人相談所などに相談することで利用できます。ただし、あくまで一時的な避難場所に過ぎないうえ、ある程度の緊急度も必要となります。だれでも利用できる…わけでもありません。

例えば、

  • 配偶者の暴力がひどく命の危険がある
  • 配偶者やその他の家族から無一文で家を出された
  • 子どもに危険が及ぶ可能性が高い
  • 実際に警察が介入している
  • 配偶者が警察に拘束されるくらいの危害を加えた
  • 着の身着のまま逃げ出すほどの緊迫した状態

など一例ではありますが、命の危険を感じている場合や、とにかく配偶者などの追跡から逃れたい場合などに利用することが可能です。

 

ただし、「女性保護施設」であるため、男性の利用はできません。

 

 

女性保護施設はどのような人が利用しているのか?

私は元夫からのDV・モラハラが原因での利用となりましたが、ホームレスの方やちょっと訳アリ(そうな)方などの利用もありました。

 

利用期間

基本的には2週間ですが、中にはもっと長くいる人もいました。

また、妊娠中の人もいてその人は「出産してからでないと出られないかも…」と言っていたのです。

 

女性保護施設内

設備は、

  • 居室
  • 共同お手洗い・洗面
  • 共同洗濯機
  • 共同浴室
  • 食堂(テレビあり)
  • 保育室
  • 会議室
  • 職員室

がありました。

 

居室

居室は何種類かあり、子ども連れの人には8畳一間を割り当てられ、居室のカギはないものの完全な個室で利用させてもらえました。

しかし、独り身で利用の方は、4人相部屋でありカーテンで仕切られているだけのまるで病棟のような場所での生活をしていました。

更に大広間のような場所もあり、こちらはパーテーションで区切られており、例えるのであれば避難所のような状態で利用する部屋もありました。(私が利用している間はこちらの部屋は使われませんでした。)

 

共同洗濯機

無料で利用はできますが、居室ごとに利用できる曜日が指定されており、週に2~3回ほどしか利用できませんでした。

 

共同浴室

基本的には毎日入ることができますが、1世帯15分と時間が決められており、時間ごとの予約制となっていました。

食事の時間や面談の時間、子どもの午睡の時間などと重ならないようにしないといけないため、自由に入浴できないことへのストレスが溜まりました。

 

もちろん、使用した後の浴室掃除、乾拭きも時間内に行うので「烏の行水」状態です。

 

食堂

食事は施設側で用意してくれたものを食べるというスタイルでしたので、時間になったら全員が食堂に集まって食事をします。

量的には充分な量をいただけましたし、実は味もおいしかったです。(これはかなりうれしかったです。)子ども用の食事も用意してもらえ、当時5歳と1歳の子どもたちも食べることに関して困ることがありませんでした。

 

食事が終わった後は各自自分で使用した食器類は、洗って片づけるところまで行いました。

 

食事が終わると独り身で利用している人はテレビを見て過ごしていることが多く、私のように子ども連れの人は各々の居室に戻ったり、入浴をしたりして過ごしました。

 

 

保育室

1日おきに日中の時間帯に保育士さんがいて、面談中に子どもを預かってくれたり話し相手になってくれたりしました。

保育士さんが不在の時でも部屋自体の利用は可能であり、部屋自体は4.5畳ほどの狭い空間でしたが、DVDやおもちゃ、本なども置かれていたため、子ども連れにとってはありがたい場所でした。

 

会議室

会議室は大人8人くらいで会議できる位の広さがあり、施設の入所時と退所時、途中途中で行われる面談などで利用しました。

 

入所時手荷物のほとんどを預けることになる

外部との連絡手段を遮断するために「携帯電話は没収される」という話はよく聞きますが、その他にも

  • ハサミや爪切りなどの刃物類
  • 身分証明書や現金
  • 内服薬
  • 筆記具

なども施設側へ預けました。

 

刃物類

自傷行為や他傷行為などの防止の観点からです。もちろん施設利用中に爪も伸びますので切りたい時は許可をもらうことで爪切りを使うこともできましたが…面倒くさいです。

 

身分証明書や現金

現金は「取った取られたを防止」するためでしたが、身分証明書は「他の利用者に素性がばれないようにするため」です。

 

女性保護施設内では基本的に「本名」を名乗りません。それぞれが入所時に決めた「仮名」で過ごします。もちろん他の利用者にも本名を明かしてはなりません。特にDV被害で逃げてきた人は、どこでどうつながっているかわからない人脈から加害者に場所を特定されることを最も恐れているのです。

もちろん自分も本名を名乗りませんし、他の利用者にしつこく聞いてもいけません。

 

内服薬

持病などで内服薬を持っている場合も一旦は施設側に預けます。

必要な時は職員室に赴き、職員の前で服用する決まりとなっています。

 

筆記具

「お絵描きを暇つぶし」としたかった私にとってはかなりの痛手でした💦

とはいえ筆記具も鋭利なものもありますし、もしかしたら手紙などを書くことを防止するためだったのかもしれません。(外部との連絡手段の一つでもありますからね…。)

 

外出は可能なのか?

配偶者から身を隠している状態ですので「外出は基本的にはNG」です。

ただし、健康診断等どうしても施設外に外出しないとならない場合もありますので、その場合は職員同伴で出かけます。

 

面談



女性保護施設に入所すると「まずこの後どうしたいのか?」という話になります。この時の利用者の希望に応じて面談の回数や頻度が決まります。

 

私の場合は、「もう自宅には帰りたくないし、夫とは離婚をしたい」と伝えていたので、基本的には「自宅に帰ることなく、確実に離婚できる方法」を考えてもらえることになりました。

 

実際に行われた面談は、

  • 入所時の意思確認
  • 警察に拘束されている夫の状況把握(まだ拘束中か否かなど)
  • 女性保護施設退所後に入所する母子生活支援施設の候補地選び
  • 退所時の今後の意思確認

などです。

 

夫の状況を伝えてもらう

私の場合は、元夫が警察に拘留されている間に子どもを連れて女性保護施設に入所しました。施設利用中にも、元夫が出所したのかどうなのかはずっと気になっていたことでもありました。

 

定期的におこなわれていた面談時に元夫の状況を聞くことができたので、これは安心材料でもありました。

 

結果的に、私が施設利用中に元夫が警察署から出所することがありませんでしたので、その後の移動も少し安心していたことを記憶しています。

 

次に入所する母子生活支援施設の候補地選び

通常の利用ですと、居住地域で運営している母子生活支援施設への入所となるのですが、DV・モラハラで配偶者などから逃げている場合は市外や県外の母子生活支援施設への入所が認められます。(これを広域入所といいます)

 

そして職員、DV・モラハラ被害者との話し合いの中で「配偶者の土地勘がないと思う地域」と「母子生活支援施設のある地域」のすり合わせが行われます。

加害者自身が「土地勘がない」ことが重要なのです。

 

また、たとえ県外であっても、「母子家庭として母親の就職がしやすい土地」にある母子生活支援施設を探してくれる場合もあるため、職員との面談はしっかり行うと良いでしょう。

 

 

さいごに

今回は、女性保護施設の概要を書いてみました。

一般的には「監禁されているようだ」「古い建物」という負のイメージがあります(本当のことですが)が、DV・モラハラ夫との生活と比べると雲泥の差であることも事実です。

女性保護施設の生活を「監禁されていて辛い」と思うくらいであれば、もともと大したことなかったのではないかとも思えます。この場合は、女性保護施設を利用するまでではないのかなと個人的には思うのです。

 

本当につらい生活を強いられてきた人にとっては、女性保護施設の生活も「苦ではない」のです。私の場合も「自由になるための通過点」くらいにしか思っていませんでした。むしろ「食事はおいしい」、「安心して眠ることができる」ことに幸せすら感じていました。

今現在、本当にお困りの方は「こんな場所もあるんだ」ということを心の片隅に止めておいてもらっても良いのかなと感じます。