【中学校吹奏楽】担当楽器の決め方からマイ楽器購入のタイミングまで

吹奏楽部に入部する子は、「音楽が好き」「楽器の演奏がしたい」など、割と意欲的な子が多いと思います。中にはすでに演奏したい楽器を決めて入部してくる子もいます。

マイ楽器にあこがれて購入を急いでしまう家庭もあると思います。

しかし、吹奏楽部に入部したからと言って、慌てて楽器の購入をすることは子どもにとっても家計にとっても大損になる場合があります。

今回は、吹奏楽部入部後の担当楽器決めから楽器の購入のタイミングまでを書いていきたいと思います。

吹奏楽部入部直後は個人の適性を見定める期間

「やりたい楽器」や「希望している楽器」が自分の中で決まっていても、新入生はとりあえずは一通りの楽器に触れます。

1つの楽器に触れる時間は、一定の時間ごとで区切られている場合もありますし、日ごとの場合もあります。これは学校の方針によって違いがあると思います。

各パートの楽器を試奏するときには、パートリーダーをはじめとする3年生が持ち方から息の入れ方、運指などを教えてくれます。

ただ、この時3年生は「教えてくれている」だけではありません。

実はこの時すでに「個人の適性をチェック」としているのです。

  • 口の形(木管向きか金管向きか)
  • 体格(大きな楽器でも負けないくらいの体格であるかなど)
  • 高音低音が一通り出るか

などの項目をチェックし、専用のチェック用紙に記入しているのです。

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新入生の楽器の決め方

基本的には適性を踏まえたうえで顧問の最終判断となります。

新入生からの一応の希望の聞き取りはしますが、希望パートに偏りがあると、バンド編成ができなくなるため、全員の希望通りには事は運びません。

各パートごとの必要人数はある程度決められています。

そのため、希望者が多いパートでは「オーディション」を行います。

このオーディションではこれまでの項目と合わせて、

  • 指示通りのことができるか(マウスピースのくわえ方や楽器の構え方など注意されたことがすぐに直すことができるか)
  • 音の出し方(高低音を意識して出すことができるか)

など、ちょっとした技術まで見て総合判断を行います。

一部例外でオーディションなしで決まることもあります

  • 必要な楽器を持っている人
  • 吹奏楽の経験がある人
  • 不人気楽器希望

は、初めから希望する楽器になることができることもあります。

楽器を持っている

特に公立中学では、学校の備品である楽器そのものが老朽化しているなどで状態が良いものが少ない傾向にあります。限られた予算の中から全体の楽器のメンテナンスも行う必要があり、ひとつひとつに充分なメンテナンスをしていくことが難しいのです。

楽器そのものの数はあるけれど、きちんと演奏することのできる楽器はほとんどないということも珍しくないのです。

そんな中で、「マイ楽器を持っています」という人がいれば、学校側からしたら「ありがたい!!」となるわけです。(吹奏楽部では、備品の楽器を使用するか、マイ楽器を持ち込んで活動するかで部費の額が変わります。学校備品使用の場合には、レンタル料として部費+500~1000円/月になる場合が多いです。)

経験者

経験者であれば、3年生が見た段階でもすぐにわかると思います。

「とてつもなく上手な子がいる」

「この子はぜひ、○○パートだね」

と話題になります。

経験したことのある楽器を希望の場合は「即戦力」として歓迎されるでしょう。

ただし、「クラリネットの経験があるけどトランペットが吹きたいです」と言った、経験楽器と希望楽器が異なる場合は、残念ながらその他の子と同じ扱いになる可能性があります。

不人気楽器を希望した

希望者はメロディーを担当することが多い楽器(サックス、トランペット、フルート、クラリネット)などに集中しがちです。

反対に、ベースラインやハモリを担当することの多い楽器(チューバやユーフォニュウム・ホルンなど)は希望者が集まらないことも珍しくありません。

ですが、初めから「大きな楽器が吹きたい!!」「ホルンの形がかわいいから吹きたい!!」などの理由でこれらの楽器を希望した場合、かなりの確率で担当楽器として決まります。

これらの不人気になりがちな楽器は、もちろん適性もみますが、「好きで希望してくれた子」としての評価が大きくなる傾向にあります。

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担当楽器が決まっても楽器購入は待つべし

担当楽器が決まると、マイ楽器が欲しくなる子が多くなります。もちろんそれ自体悪いことではありません。しかし、入部間もない楽器の購入は待ってもらった方が良いと思います。

顧問に相談

楽器を購入したくなってもまずは顧問の先生に話を通すのが筋です。

というのも、楽器なら何でもよいというわけではなく、ある程度のグレード以上のものでないとならないからです。

例えばアルトサックスの場合は、

学校の備品は『YAS-82Z』と言って、新品ならば36万~40万ほどで販売されているくらいのグレードのものです。

ネット上などで10万以下の格安に販売されているサックスでは話になりません。

見た目は同じように見えますが、音質が全く異なりますし、安物ではすぐに故障してしまいます。それに何よりアフターフォローを受けづらいという欠点もあります。

それに自分一人での演奏ではありません。

部員一丸となって音作りをする以上、安っぽい音を混ぜるわけにはいきません。

アルトサックスに関しては、

「できればYAS-62 以上のグレードのものでの準備が望ましい」(ヤマハのアルトサックスで下から4番目のグレードのものです。)

とのことでした。

楽器によって異なりますが、中学校の吹奏楽では、『ヤマハの一番下から3つ以上高いグレードのもの』と指定されることが多いでしょう。

担当パートによってさらに担当音域がある場合も

サックスを例にしますと、「サックスに決まったからと言って『アルトサックス』ができるとは限らない」ということです。

中学校の吹奏楽では、主にアルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスの3種類をそれぞれが担当します。(ソプラノサックスも使うことがありますが、これはアルト1stの子が持ち替えで担当することが多いです。)

アルトサックスを希望して入部した子でも、アルトサックスに空きがなければテナーやバリトンに回されることもあります。反対にバリトン希望だったとしても、すでに上手に吹くことのできるバリトン奏者がいた場合には、アルトかテナーのどちらかしか担当できないこともあります。(バリトンは大抵ひとりで充分だからです)

これはその時の部員の構成によるところが大きいです。

ですので、『アルトサックスをどうしてもやりたかったから、もう親に買ってもらった!』ということだけは無いようにした方が良いです。

先に楽器を購入されてしまった場合には、(楽器を持っていない)先輩たちに楽器の変更をしてもらうことになるかまたは、補欠覚悟で購入した楽器で練習をするか(先輩の方が上手である可能性が高いので)のいずれかになってしまうかもしれません。

どのバンドにも音域のバランスを考えて部員の配置をしているため、顧問からの正式な決定を待ってから楽器の購入をすることをお勧めします。

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楽器の購入するタイミングは?

正直な話をするとお子さんが中学生である場合は、楽器の購入はしなくても大丈夫です。古いものとはいえまあまあなグレードのものが学校の備品として用意されており、必要に応じて部費から修理もしてもらえます。

しかしながら、吹奏楽部に入り一生懸命頑張っている子どもの姿を見ると、親も「マイ楽器」を与えたくなるものです。もちろん、子どももモチベーションを高めるためにマイ楽器を欲しがるようになります。

大型の楽器ともなると軽く50万を超えてしまうので、この場合は学校の備品我慢をさせることも可能ですが、「手持ち楽器」と呼ばれる比較的小型の楽器ですと中学1年生の秋くらいには購入を検討する子も増えてきます。

娘の場合は

わが家の娘は、入部当初からテナーサックスを担当していました。元々、『メロディーもハモリも伴奏も何でもこなすテナーサックスが好き!!』と言っており、マイテナーサックスをおねだりしてきた時期もありました。

しかしながら、管体の大きめなテナーサックスはお値段がお高め💦

学校の備品のサックスの状態も悪くなかったこともあって、この時には購入することはありませんでした。

その後、顧問の先生から

「指の動きも早いし、ソロパートも任せたいからアルトサックスに変わって!」

と言われ、テナーからアルトへ転向することになりました。

マイ楽器を持っていなかったからこそ融通が利いた例でもあります。

【中学吹奏楽】娘が突然テナーサックスからアルトサックスへ転向 顧問からの突然の宣告

楽器の購入する場合は先を見越して

決して安い買い物とは言えない楽器の購入。

子どもが中学生という段階で購入するのであれば、「高校生になっても使うことのできるグレードのもの」を選ぶべきです。

高校によっても熱の入れ方が異なりますが、吹奏楽に力を入れている高校の場合では、入部するにあたってそれなりのグレードの楽器を持っていることが条件と言っても過言ではないからです。下手したら買い替えなんてことにもなりかねません。

「中学生にこんな高価なものはもったいない…」

と感じるのであれば、高校以降の購入が良い選択かもしれません。

また、高校以降に吹奏楽やその他の音楽活動をするか否かも判断材料となります。

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さいごに

わが家では結果的にアルトサックスの購入をしてしまったのですが、時期は周りよりもかなり遅めの中学2年生の冬でした。

吹奏楽中学生女子についにアルトサックスを買い与えることなりました【ひとり親の決意】

顧問の先生からかなりの信頼をされているであろう娘を応援するべく、高校生になっても使うことができるように「それなりのグレードのもの」を選んで購入したつもりです。

今回この記事を書こうと思ったわけ

昨年入部した後輩がサックス内でのパートが決まる前に勝手にテナーサックスを購入してしまったために、

  • もともと1名でよかったテナーサックスが2人になってしまった
  • この後輩の子はアルト向きと思われていたため予定がくるった
  • 結果アルトが手薄になってしまった
  • コンクール出場時のバンドとしてのバランスが悪くなった(結果、その後輩は補欠となった)
  • 3年生の引退後のパート内でのバランスが崩れてしまった

など、娘の困っていた姿を目の当たりにしたからだったのです。

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