母子生活支援施設は『恵まれた施設』です

ひとり親家庭

過去にお世話になったことのある「母子生活支援施設」について、これまでも利用した立場から、いくつかの記事を書いてきました。

我が家は、夫のもとから物理的距離をとるために別居時の住宅として離婚成立までの間の1年8か月間お世話になりました。

共同生活の場でもありますので細かい決まり事も多く、  通常の賃貸住宅で暮らすことと比べると息苦しさも感じてしまうこともありましたが、総合的にみて『恵まれた環境』であったと思います。

 

母子生活支援施設を利用するにあたっての保証人問題はない

母子生活支援施設は児童福祉施設にあたるため、賃貸契約をするときには必ず必要になる「保証人」や「保証会社の審査」などはありません。

入所時に「万一のことがあった場合の連絡先」を施設側に知らせて得おく必要はありますが、この万一というのも母親の身に何かがあった場合の連絡先にすぎず、保証人とは性質が異なったものです。(身内がいない場合は職員と相談となります。)

施設利用者に身内がいない事例も少なくありませんので、本当に頼るべき人がいない場合でも入所を断られることはありません。むしろ、そういった人たちを救済するための施設なのです。

言ってしまえば、一人で子どもを養育している女性であればだれでも利用することができる施設なのです。

 

家賃が無料または格安

よほどの高収入でない限り家賃は無料です。入所中には実際に家賃を支払っている人の話は聞いたことはありませんでした。

ただ、水光熱費や通信費の支払いはありますので、単純に家賃がかからないということです。

 

居室がきれい

施設によるところもあると思いますが、今の時代は母子生活支援施設もきれいなところが増えているようです。

照明も無段階調光のできるシーリングライトであったり、ウォシュレット付きのトイレであったり、足が伸ばせるくらいの広い浴槽が用意されていたりと、意外と贅沢なつくりとなっているところもあります。

 

セキュリティーがばっちり

当たり前ですが、女性と子どもが暮らしている施設です。

施設の出入口は常に監視カメラで撮影され、職員室でその様子を確認することもできます。元夫が襲撃に来た!!という事例もあるようなので、セキュリティーはしっかりしています。夜間は入口すべてが施錠もされます。門限があるほどです。

のちに書きますが、職員も24時間常駐していますので、トラブルがあれば対応してもらえます。

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職員が24時間常駐している

24時間施設職員が勤務しています。

夜中にも宿直の職員が、休日にも当直の職員が必ずいるのです。

夜間休日に「万一の事」があった場合には、職員の手を借りることができるのです。(ただし、何でもかんでも頼ってはいけません。)

 

公共料金の免除

児童福祉施設であるため、一部公共料金を免除してもらえます。(地域によって異なるかもしれません。)

私が利用していたところでは、

  • 下水道基本使用料(2000円ほど)
  • NHK受信料

が無条件で免除でした。

寄付がある

地元の企業を中心に、定期的に寄付をいただきます。いただいた寄付は入所家庭に配分されます。食べ物であったり、文房具であったりします。

実際にいただいたものですと、

  • 調味料や乾物類(複数回)
  • みかん10㎏(笑)
  • お米
  • 洋服や靴
  • サーカスのチケット
  • クリスマスホールケーキ

などなど、私がお世話になった期間だけでも結構な回数の寄付があり、その他には小学校の新入学児を対象にランドセルの寄付もありました。

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子どもに対する支援

児童福祉施設ですので、子どもに対しての支援が多いのも特徴です。

学習支援

放課後の時間に保護者に代わって、学習指導員が子どもたちの宿題や自主学習の見守りをしてくれます。

子どもたちは専用の部屋(学習室)に集まって学習をするのですが、自分の暮らしている居室で学習することも許されています。(主に小学校高学年以上の子は自分自身の居室で学習する子が多い印象でした。)

カウンセリング

主に希望者になりますが、専属のカウンセラーによるカウンセリングも行ってくれます。突然の引っ越しや環境の変化で子どもたちも落ち着かない場合が多いのです。

月に2回ほど一人当たり30分~1時間ほどの時間で、ブロックやお絵かきなどの遊びを通してのカウンセリングをします。

我が子も数回受けましたが、子ども自身が「何のために受けているのかわからない」という疑問を持ち、子ども本人の希望でカウンセリングを中止させてもらったのです。

(大人用のカウンセリングもあります。)

各行事

季節ごとの行事やイベントなどもたくさん行ってくれます。

  • 新入学のお祝い
  • 子どもの日
  • バーベキュー大会
  • 夏休みお出かけ企画(プールなど)
  • クリスマス
  • 新年会
  • 豆まき
  • ひな祭り

などなどです。

豆まきやクリスマスなどの時は、職員が鬼やサンタさんに扮することもありました。

家庭で行うことが難しい行事も施設内で行ってくれましたし、子どもの人数も多いので、それなりに盛り上がったのです。

 母親に対しての支援

子を守る母親に対しての支援も手厚いです。

カウンセリング

子どもに対してのカウンセリングもありますが、母親に対してもあります。(希望制)

時間は1回あたり1時間で、回数は個人個人で異なります。必要とされる人は毎週行われたり、気持ちが落ち着いている人は月1回だったりします。

就労支援

希望があれば一緒にハローワークに行ってくれたり、職探しの手伝いをしてくれたりもします。

母親用に貸し出しのパソコンもありますので、就労に向けてのパソコンの使い方の指導をしてくれる場合もあります。

面談

生活や子どものことで不安や相談がある時には、職員が時間を設けてくれて面談を行ってくれます。常に相談できる大人が近くにいるのは、母親の安心感にもつながります。

 

自立後はすべての支援がなくなります

母子生活支援施設から自立し、団地住まいである今は、今回書いた上記のことや支援はは何一つありません(;^_^A

母子生活支援施設から自立してしまえば、職員のアフターフォローがあるわけでもないですし、同じ母子家庭でも寄付がもらえるわけでもありません(;^_^A

あくまで「児童福祉施設」に入所しているから受けることのできる支援なのです。

施設内で暮らしているうちはかなり恵まれた生活であり、本来は自立した後のほうが「支援」を必要とします。単純に生活費の支払いも増えますしね…。

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さいごに

今回は、母子生活支援施設に入所すると受けられる支援について書きました。

入所する人の中には、居心地が良すぎていつまでたっても自立できない人も実際に存在しますし、施設に入所しているときに家賃がかからなかったためか自立後に賃貸住宅の家賃の支払いができずに退去させられた人の話も聞きました。

母子家庭にとっては大変ありがたい支援ですが、恵まれた環境に甘えすぎてしまうと、退所後の生活が成り立たなくなってしまうこともあります。

「助けがあって当たり前」という考えでなく、今は助けてもらっているけど、ゆくゆくは自分で頑張る。」くらいの気持ちで利用できると良い施設です。

最後にもう1度書かせてください。

母子生活支援施設は非常に恵まれた施設です。

入所の際には、感謝の気持ちを持って利用できると良いですね。

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