時の流れは早いもので、娘が高校に入学してから1年半が経とうとしています。高校生活も折り返しと言ったところです。
娘は、中学の時から吹奏楽を続けています。高校での吹奏楽は、練習時間や日数など中学の時とは比較にならないくらいのものであり、担任の先生からも「吹奏楽は大変だからね…。」と忙しさに関しては、一目を置かれる部活動となっています。そんな過酷な吹奏楽部にも休むことなく練習に出席し、夏休みもほぼない状態で頑張り続けている娘には、母である私は感心しています。
そして娘の学校の吹奏楽部では、夏の吹奏楽コンクールが県大会で予選敗退が決まったため、部員の「世代交代」が行われることになりました。
高校吹奏楽部の「幹部」任期と就任時期
どこの学校でも任期が1年というのは、変わらないと思います。ただ、世代交代の時期には違いがあるようです。
進学校(短大や大学への進学率が高い学校)では、遅くとも6月くらいまでに世代交代が完了しており、3年生は8月に行われる「全国吹奏楽コンクール」には出場しないことも多いです。(学校にもよる)
進学校というほどでもないが、進学率がそこそこ高い学校や、吹奏楽の強豪校でない場合(県大会止まりくらい)は、3年生でも本人の希望に応じて吹奏楽コンクールに参加することもあります。
そして、専門校(農業・工業・商業)など、どちらかと言えば就職率が高い学校である場合は、受験勉強が必要ないことが多いため、3年生であってもレギュラーとして吹奏楽コンクールに出場し、冬場に定期演奏会を行って引退ということもあります。
私たちが暮らす地域では、
- 進学校であればあるほど3年生の引退時期が早い(受験勉強のため)
- 専門学校や就職に力を入れている学校では、3年生の年末くらいまで部活動を楽しむことができる
- 吹奏楽強豪校でなければ8月引退の学校もある(県大会くらいまでの参加)
といった感じに分かれます。
娘の学校は、専門学校進学や就職の子が多いため、3年生の冬まで部活動を行うことができます。しかし、秋ごろからは3年生はAO入試や就職面接練習など、進学・就職に向けた動きも多くなるため、部の運営は9月ごろから2年生にバトンタッチをします。
部長をはじめとする役職決め
娘は、昨年の8月終わりにすでに「幹部入り」しています。
吹奏楽部の幹部入り - トリプルLIFE
高校吹奏楽部におけるインスペクターとは - トリプルLIFE
この時の決め方は、幹部の先輩に指名された形で決まりました。 当時は同学年に他幹部の子はいなく、過去1年間は、先輩の中に混ざって幹部職をおこなってきました。
そして、一緒に幹部として動いてきた先輩が退陣するため、新たな幹部決めをおこなうことになりました。しかし、今回の役職決めから決め方の変更がされました。
これまでの役職決め
- 現幹部+学指揮(計5~6名程度の3年生)+幹部2年生(1名)での話し合いで、幹部と学指揮の指名を行う
- 話し合いで候補に挙がった生徒に話をし、引き受けてもらえるか確認をする
- 新幹部候補が了承したら、顧問と音楽講師の先生に報告し、許可が下りれば決定
という流れでした。
この選出法は、新幹部を推薦する現幹部の生徒が「部のことをしっかり考え」「しっかり任せることができる人を推薦」できるのであれば、最も効率の良い決め方であると感じます。
基本的に、3まで行けばほぼ決定であり、これまでは顧問や音楽講師が口をはさんでくるようなことはなく、長年この方式が取り入れられていました。
新しい役職決めの導入
しかし、今回からは幹部などの役職の決め方が変更されたのです。
娘の高校では、運営の要として部長・副部長・インペク・サブインペクの4人が幹部と呼ばれています。そして幹部というくくりではないものの、演奏面での責任者となり幹部並みの重要ポジションとして学生指揮(木管・金管から1名ずつ以降、学指揮)を選出します。(学校によっては学指揮も幹部であることがありますが、娘の学校ではこれまでは幹部という扱いではありませんでした。)
新しい役職決めは「学指揮」から
今年からは役決めの優先順位が変わったのです。
まず、部員全体の音楽を仕切り、トップとして部員を率いる「学指揮」は、音楽講師である先生の指名で決めるというスタイルに変更されました。理由は以下の通り。
- 部員の中でも特に音楽知識が高い
- 部員の手本になるくらいの演奏スキルがある
- 音楽講師の言いたいことをしっかり理解もらえる
- 新しい練習法を取り入れるなど前向きな練習で部員をリードしてくれる
上記の生徒を音楽講師自らが見極めて真っ先に「指名する」方法となりました。
学指揮以外の部員から幹部決め
次に学指揮以外の残りの部員から、部を運営することが主な仕事となる幹部を選出します。これは前年同様、先輩からの指名で名の上がった生徒で決まります。
しかしながら今年度の先輩は、幹部の選出をしてはくれたものの、3役である「部長・副部長・インペク」は幹部候補者の3人で話し合って決めるようにと当事者に丸投げしてきたとか…。
この1年間、先輩とともに幹部として動いてきた娘も当然このうちの一人として名が挙がっており、9月からの幹部メンバーも決まった…と誰しもが思っていたのですが…。
娘が「学指揮」と「幹部」の両方の指名を受ける
現幹部メンバーであり、何事もなければ幹部2年目として部を牽引していくはずだった娘に、一つ問題が起こりました。
役職の決め方が変わって間もなかったこともあり、部員みんなが混乱している中、まさかの同時期に先輩から「幹部」の指名を受け、音楽講師から「学指揮長(木管リーダー)」の指名を受けるという役職のダブルブッキングとなってしまいました。もちろん、両者引き受けることも不可能ではありませんが、一緒に幹部として部の運営をしていく仲間である子たちとの話し合いで、いろいろな可能性を模索することになりました。
- 娘が仕事が比較的少ない副部長ポジションにいながら、学指揮をおこなう。
- 娘は学指揮に専念する。
- 幹部構成を変え、学指揮も幹部職とする。
娘が副部長兼学指揮
次世代の幹部の中で唯一の幹部経験者となる娘は、円滑な部の運営を行うためのキーパーソンになります。特に、音楽監督の来校日程や、部員の練習日や時間、遠征時のスケジュールなどをすべて作成するインペクの仕事は、部内でもかなり重要な仕事となります。慣れるまでは、内容をよく知る人の手助けが必要なことも多いのです。
1年間サブインペクとしての経験がある娘が、新インペクを見守ることができる距離にいつつ、音楽監督の意向に沿って学指揮も行うという方法です。
この場合は、娘が副部長の立場であるほうが身軽に動くことができるので、娘が副部長ポジションで、新しく幹部入りする子にインペクの仕事を引き受けてもらうことになります。(副部長は基本的に仕事が少ない役職です。)
学指揮に専念
娘が学指揮に専念することも方法としてはあるのですが、その場合、幹部経験者がいなくなるため、結成当初の混乱は避けられなくなりそうです。もちろん、時間が解決するでしょうが、部内ではあまり現実的な解決案ではなかったようです。
幹部の構成を変えてしまう
今まで「学指揮」が幹部でなかったことにも疑問があった娘たち。それなら、学指揮も幹部に入れちゃえばいいじゃないか?という考えに至ったとか。
娘の学校では、これまでにも幹部の構成はその時々で変更されており、
- 部長・副部長(兼インペク)の2名で運営していた年
- 部長・副部長・インペクの3名で運営していた年
- 部長・副部長・インペク+サブインペクの4名で運営していた年
など、部員数や仕事量によって幹部数や役職数が変わってきています。そしてこの変更はきちんとした理由があれば割と融通が利くので、娘の代でさらなる改革を行い、構成の変更をしてしまおうという話も出たそう。
- 部を統括する部長
- 部員を音楽面で導く副部長(学指揮長・金管長または木管長)
- 部員を行動面で導く副部長(インペク)
- サブ学指揮(2年学指揮・金管長または木管長)
- 幹部の補佐(サブインペク)→後輩から選出
副部長という役職をなくす…という案もあったが、「後輩にわかりやすくするためにあえて副部長という名前を残す」のもありかもということで、仮案では副部長2名にし、それぞれの役割を演奏面とスケジュール面で分けるという方法で同等の役割とすることに。
そして、部の運営とともに音楽面での情報共有をしやすくするために、学指揮も幹部としての扱いにすることも案として出しています。人数は現行の4名から5名に増員予定。
娘「学生指揮長」に収まる
結果から書くと、娘は「学生指揮長」のポジションに収まりました。
これは、音楽講師の意向が強く、これまで考えてきた様々な構成の中で、「学生指揮に専念をする」という方法が採用された形となりました。部の運営からは外れる形となりますが、音楽的な活動に関しては娘が責任者となり、部長と並んで部の要ともなる立場です。
そして、音楽講師の提案で「学指揮長も幹部として扱う」ことに決まりました。
学指揮長って何をするの?
その団体によっても役割が異なるのですが、娘の学校では以下のような仕事になるそうです。
- その日の練習内容の決定
- 練習メニューを考える
- 基礎合奏の仕切り→指導
- 音楽講師と打ち合わせをして指示があった個所の強化練習
- 音楽講師が不在時の音楽的な責任者
- 音楽講師不在時のイベントの指揮
娘の学校では、顧問の先生は部活動がある日は職員室で常駐はしているものの、部活動練習には一切関与しなく、かわりに外部からくる音楽講師の先生が部活動の仕切りをしているのです。(顧問の先生は、部の運営のサポートをする感じであり、3人の顧問が交代で行っている印象です)
ですので、日ごろからの部の練習としては、音楽講師+学指揮がメインで行うことになります。しかし、校外の指導者である音楽講師は、毎回の部活動に来ることができないため、月のうちの半分ほどは不在であることも珍しくなく、その間の練習を音楽講師の指導の下、学指揮長が取り仕切ることもあります。(顧問は音楽関係にノータッチです。)
部の新体制が決定
少し波乱があった役職決めではありましたが、何とか部内での幹部をはじめとする役職が決定しました。
組織としては、
- 顧問→部長→副部長・インペク・サブインペク→(各パートリーダー)(運営ライン)
- 音楽講師→学指揮長(兼木管長)→副学指揮(兼金管長)→(各パートリーダー)(音楽ライン)
の2本柱で運営が行われていく模様です。(太字が幹部)
さいごに
昨年部活内で幹部に決まった娘は、「来年も幹部だからね」と先輩たちから言われて過ごしてきました。しかしながら、今回は決め方が変わったことによって(先輩の推薦ではなく先生からの指名に変更)、昨年に引き続き幹部ではあるものの、仕事内容が異なる学指揮になりました。
決定当初は、「全く違う仕事にされて戸惑っている」など、ネガティブなことを言っていた娘でしたが、音楽講師に音楽的なことを任せてもらえたことに関しては素直に受け止め、初めてのことながら手探り状態で任務を遂行しています。
今はまだ3年生が引退前なので、困ったことがあればサポートしてもらえる立場にありますが、いつまでもというわけにもいきません。娘が自分の方針で部を牽引できるようになる日が来ることを母親の立場で楽しみにしています。