トリプルLIFE

ひとり親家庭を切り盛りする母が実際の経験をもとに書くブログです。

  

人生で初めて裁判所にお世話になった話【モラハラ夫との離婚調停と離婚裁判】

私は、数年前に裁判所を通しての離婚が成立しました。

今回は、離婚するときにお世話になった裁判所で行ったことの話を書かせてもらいたいと思います。

 はじめに

ごくごく普通に暮らしているとなかなかお世話になることのない場所…。

『裁判所』

実はちょびっとお世話になりました。冒頭にも書きましたが、離婚の時でした。

日本の離婚全体の約90%は、当事者同士の話し合いによって決まる『協議離婚』です。当事者同士だけでは話し合いができない、または決まらない場合は、間に調停委員と呼ばれる第3者を挟んで冷静な話し合いを行います。これを『離婚調停(夫婦関係調整調停)』と呼び、離婚全体の約9%ほどです。

また、離婚問題が裁判にまで発展することは非常にまれですが、判決によって離婚が成立する『裁判離婚』も存在し、離婚全体の約1%ほどの件数となります。

我が家の場合は、この1%に入る『裁判離婚』によるものであり、その理由は元夫による数々のDV・モラハラによるものだったのです。

 

まずは離婚調停

夫婦間で離婚に向けての話し合いができない(会話が成立しないなど)場合は、離婚調停(正式名称は、夫婦関係調整調停と言いますが、ここでは聞きなれた言葉を使用します)の申し立てを行います。

調停の段階では弁護士をつけなくても事を進めることはできます

しかし配偶者が、

  • まともに話を聞かない(話にならない)
  • DV・モラハラ等の加害者
  • 行方不明
  • 相手方の要求との食い違いがある場合
  • 相手が弁護士をつけている場合

などの場合は、自分側にも弁護士を付けたほうが安心です。

私は、初めから弁護士に依頼をして調停を申し立てをして、全2回行いました。調停の回数は、個人差があり、話し合いの進行具合では1回で決着つく人もいれば、話し合いがうまく進まずに複数回行われる場合もあります。

私のように「2回」という数字は、「モラハラ夫相手にしては」はかなり少ない回数であると思います。その理由は、後述します。

第1回目の調停

この時すでに私と子どもたちは県外に引っ越ししていましたが、元夫に居所を知られないように、元夫の居住地(元夫と一緒に暮らしていた時の居住地)の弁護士に依頼しての裁判所まで出向いて事を進めました。

1回目の調停は、元夫と別フロア別室で準備してもらえ、開始時間も30分ずらしてのスタートでした。

私がスタートするころには、とっくに元夫は裁判所の中にいて、元夫側の話が進んでいる予定でした。

この日は、私と弁護士、調停委員さん2名、裁判所の書記の人(?)の計5名で弁護士の作った書類をもとに

  • これまでの生活の様子
  • 私が元夫と離婚を考えている経緯
  • 現在子どもたちの養育をしているのは誰か(今回は私)

などを話し、本来であれば双方の意見を調停委員さんが聞くところでした。

しかし、この日は元夫は連絡もなく裁判所に現れることもありませんでした。もちろん事前に「欠席」などの連絡もありませんでした。元夫のこの行動は調停委員さんの心証はあまりよくないものになったことは間違いありませんでした。 「あなたは本当に苦労したのね…。」と調停委員さんから労ってもらい、第1回目の離婚調停が終了しました。

第2回目の調停

1回目にすでにすっぽかされた状態にあった私に対して、弁護士と調停委員の方で相談の結果、2回目は代理人(弁護士)のみの出廷でよいと判断されました。

  • 小さい子供がいること
  • 県外からの出廷だったため、交通費がかかること
  • 裁判所までの距離があること(新幹線で行っていました)
  • 2回目も元夫が来ない可能性が高いこと

が考慮されたのです。

第2回目当日、弁護士が裁判所に行ってくれたものの、やはり元夫は無断欠席をし、話し合いも何もなく2回目も終了しました。

その後、第3回目の期日を設けてもきっと元夫は来ないであろうと判断され、話し合いも行うことができず、早々と「調停不成立」となってしまったのです。

調停不成立だったため裁判に向けて動き始める

2回の調停(実際は行われていないようなものですが…)で、不成立となってしまいましたが、弁護士と裁判に向けての話になっていきました。(同じ弁護士と、裁判案件で再契約しました。)

裁判を行うために、元夫に書類を送らなければなりません

しかし、裁判の日時や場所が書かれた書類が元夫のもとに届かないのです。

裁判に関する書類なので、もちろん普通郵便ではありません。本人の手に渡るまで何度も裁判所から送られます。ですが、ことごとく裁判所に戻ってきたそうです。

「相手に書類が届かないと、裁判ははじめられません。」

以上のことが弁護士から告げられました。

 

公示送達

本来ならば、特別送達という手段で送られるはずの裁判関係の書類。

居留守だったのか、受け取りを拒否したのか、ただ単に不在が続いたのか…元夫のもとに裁判所からの書類が届くことはありませんでした。元夫あてに何度送っても裁判所に戻ってきてしまうとのことでした。

公示送達とは?

相手方を知ることができない場合や、相手方の住所・居所がわからない人、相手方が海外に住んでいてその文書の交付の証明が取れないときなどに、法的に送達したものとする手続きのこと。 公示送達 - Wikipedia より一部抜粋
本来、特別送達で送られる書類に書かれた内容の書面を裁判所の前に2週間掲示することで通達するとこと。これが公示送達です。

公示送達の手続きの前に…

元夫が手紙を受け取らないとはいえ、そう簡単に「公示送達」で裁判の日程の通達ができるわけではありません。公示送達をおこなうには、裁判所に対して、『本当に相手に書類が届かない。所在が不明である』事の証明が必要になります。そのために、弁護士が関係先に調査をしに行ってくれました。

元夫の関係先

元夫は無職でしたので、職場関係は探しようがありません。

そこで元夫の現住所に出向き、大家さんに元夫の所在について話を聞くと、「数か月前から姿を見ていない」とのこと。電気のメーターも止まっており、不在であることが確認できたようです。この時、大家さんも元夫がどこにいるか知りたかったそうです。(家賃滞納のため)

弁護士は元夫の実家にも行ったそうですがすでに取り壊されており、元夫の両親も引っ越しされていたそうです。元夫は、元夫の両親とともにいるのか?それとも完全に見放されて一人でどこかに行ってしまったのか…?

元夫は完全に行方不明になってしまったのです。

以上のことを弁護士が書面にまとめ、裁判所に提出しました。

結果、無事に「公示送達を行ってよい」という許可をもらうことができ、離婚裁判開廷まであと少しとなりました。

公示送達とは、無条件にできる方法ではありません。裁判関係の書類が相手方に届かない明確な理由と証拠が必要になります。最低限必要な情報としては、

  • 役所に調べに行った記録(戸籍や住民票など)
  • 最終居住地であった家の写真
  • 近所の人や職場での証言

が元になるそうです。

離婚裁判

結論から言うと、元夫は離婚裁判にすら現れることはありませんでした。(そのおかげ(?)でスムーズに離婚が成立したのですが…。)

ただ、元夫が現れた場合には証言台越しに対面する形となります。二度と会いたくないと思った相手と同じ空間で過ごす可能性があったのです。 いくら裁判とはいえ、事情によってはもう少し配慮してほしいところです。

実際、当時私は元夫のことをかなり恐れていたので、元夫が裁判の席に来ていたら私は過呼吸になっていたかもしれません。

開廷

被告(元夫)不在のまま、裁判が始まりました。

テレビでよく見るような(嘘偽りは言いません的な)宣誓書を読み、裁判長からいくつかの簡単な質問をされ、それに答えて15分ほどで閉廷となりました…。

(はやっ!!)

事実、ものすごくあっけない終わり方でした。

相手がきちんと来ている裁判であれば、双方の意見の言い合いなどもありますので、もっと時間はかかります。

そして、私の言い分(離婚、親権、養育権)はすべて認められ、無事に離婚届けと一緒に添付する 裁判所の書類(判決の謄本・確定証明書)をいただけました。(これがあれば、自分の欄だけ名前を書いて、離婚届けを出すことができます。証人欄も空白で良いです。)
 

さいごに

離婚って、本当に体力と精神力を使います。私は、裁判になったケースにしては早く事が進んだほうだと思います。(調停から約1年1か月で決着)

モラハラ加害者との離婚は、多くの人は何年もかかると聞きます。もう体験したくない出来事ですが、いろんなことを知る出来事だったのも事実です。この後の人生で役立つかどうかはわかりませんが…ある意味良い経験でした(´ー`)

きっとこの先、同じような経験をされる方がいるかと思います。(いないほうが理想ですが💦)その時、この記事が少しでも役立つことを願っています。

おまけエピソード

裁判長が座る椅子の後ろに壁があります。そこの壁が開くのは知っていますか?

実は私、離婚裁判の時初めて知りました。

テレビドラマなんかでの裁判シーンって座っているところからであることがほとんどだと思います。実は裁判長は、裁判長の席の真裏から登場するようです。

(あ、あそこの壁 開くんだ!!!)

なんて、のんきなことを裁判が始まろうとしていたときに思っていた私でした。(裁判所によって造りが違う場合もあるかもしれませんが…私の行ったところではそうでした…)