先日、私が住む地域で
学校(20校)が、児童・生徒の個人情報が保護者に無断でPTA役員に渡して、PTA役員の選出や旗振り当番の割り振りに使用していたことが問題となり、大々的に報道されました。
実は我が子の個人情報も、無断でPTA役員に渡されており、他人事ではなかったため、今回の記事は、少し厳しめな意見を書いてみたいと思いますので、PTA推進派の方は、ここで読むことをおやめください。
事の経緯

居住地の市では、市内の公立小中学校全域に対して、2024年5月からPTAの運営手引きにて、学校側が収集した個人情報を保護者の同意なしでPTAに提供することができない旨の通知が行なわれていました。
しかし、2024年から2026年にかけてそのルールが守られていない学校が20校ありました。うち2校は、娘と息子が在学していた小中学校です。
おそらく新入学されたであろう子の保護者が、個人情報についての疑問を今年4月に学校へ問い合わせ、学校側から教育委員会に報告したことで問題が発覚しました。
個人情報とは?

今は当たり前によく聞く言葉となりましたが、「個人情報保護法」自体が制定されたのは意外と近年であり、2003年制定2005年全面施行という、比較的歴史が浅い部類の法律です。それでも、20年以上が経っているわけで、大人であれば『その法律があることを知らない』という人もほとんどいないとは思われます。
個人情報とは、個人を特定できる情報であり、
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 顔写真
などを指し、どれか一つの情報であっても、第三者が取り扱う場合は、厳重に管理する必要があります。
ではなぜ学校側からPTA役員に児童・生徒の情報が渡されてしまったのか?

市教育委員会の対応の遅さ
まず、『市の責任』が大きいと思います。
個人情報保護法が全面施行されてから、20年近くがたってようやく学校側に「学校側が収集した個人情報を保護者の同意なしでPTAに提供しないでください」と運営手引き内で通達したとされています。
個人保護法は施行されても20年近く、少なくても1学校で年間10数名のPTA役員と、実は報道されていない部分で言えば、役員決めをおこなう司会者にも個人情報は提供され続けていました。
役員押し付けのため
共働き家庭やひとり親家庭が増える中、PTA活動に消極的になりつつある近年。みんな口にこそ出さないけれど、「できることならPTA活動はやりたくない」と思っている人がほとんどだと感じます。
その証拠に、
- 子ども一人に付き役員〇回おこなってくれ
- まだやってない人は今年やってくれ
- 子どものためと思ってやってくれ
- 子どもや先生との距離が近くなるからぜひやってくれ
- みんな平等なので必ずやってくれ
など、役員決めの際は「子どものためだから」「みんな平等だから」などという常套句を前面に押し出してきます。
しかし、裏を返せば
- 全員が〇回以上やってくれれば負担が軽くなる
- 役員をやっていない人はずるい
- 子どもを引き合いに出せば手をあげてくれる人がいるだろう
- 先生との距離とか言っとけば手をあげてくれる人がいるだろう
- 役員やらないなんてとにかくずるいからなんとしてでもやらせてやる
という負の感情が見え見えです。
だって、「本当に子どものためにみんなで活動しよう!」と思っている人なら、極論子どもの在学中ずっと役員をやればいいだけの話なのですから。ですがそんな人はほぼいません。常套句を並べては、次に役員を押し付ける人を狙っているだけなので。
つまりは、自身も早く役員を終わらせて楽になりたい=嫌なことは先にしてしまおうと考えている場合が多いのです。
もちろん、本当に子どものため学校のために尽力してくださる人もいるとは思いますが、そんなの一握りでしょう。証拠に、結局は件の個人情報から名指しで役員をしたことのない人をあぶりだしたうえでのじゃんけんかあみだくじで決まるケースが多いです。
問題になった児童・生徒の個人情報はこんな使われ方をしていた
先に書いた通り、主には『決めごと』をする際に使用されていました。ここからは、私の娘が小学6年生(2019年当時)の頃の実話です。
娘の小学校では、子ども一人に付き役員を2回以上行なわなくてはならないという誰が決めたのかわからないルールがありました。ですが、入学当社から当たり前のように伝えられてきたことでもあるので、「そんなものか…」と、なかばあきらめ承知したような形で6年間を過ごしました。娘の役員ノルマはすでにクリアしていたものの、下の息子が入学したこともあり、この年私は下の子の役員1回目として活動をしていました。
当時私の友人が、PTA本部役員(+とある委員会委員長)として活動をしていたので、友人が担当していた委員会の副委員長として本部役ではないけれど、PTA活動のお手伝いをしていました。
その中で、たまたま娘のクラスに本部役員がいなくて、友人である本部役員に「懇談会内の役員選出での司会を行なってもらえないか?」と相談されました。
もちろん、友人からの頼みですので、二つ返事で引き受けました。この時私はただの副委員長です。
役員選出の当日、PTA役員から学校から借りたとされる『名簿』を渡されました。一応この時には、「個人情報だから、役員決めが終了したらすぐ回収に来ます」と一言添えられました。(個人情報という認識はあったものと思われます)
その名簿の中身は、
- 出席番号
- 氏名(子どもと保護者)
- 保護者がいつ何回どんな役員を行なったか
などの情報が書かれており、びっくりしました。この名簿こそが今回問題となった個人情報だったのです。
役員決めは、その名簿をもとに、(最高学年だったため)2回のノルマを終えていない保護者からの選出をするという決まりとなっていたのです。
この当時はまだPTAの活動手引きに『個人情報の取り扱い』に関する明確な記載はなかったため、問題化はしませんでしたが、私が関与した当時は、PTA間で個人情報の取扱いに十分に配慮していた印象はあります。
でも、誰かに役員を押し付けるための道具になってしまっていたのは事実です。
今後の役員決めはどうなるのか?

『児童・生徒の名簿』(虎の巻と揶揄されることも)を学校から借りることができなくなったため、PTAの役員選出は完全なる『立候補』もしくは『くじ引き』となります。
でも本来は、気持ちよく引き受けてくれる人にお任せできればPTA活動も円滑にできるし、なによりそれこそが本来の姿ではないかと思っています。
家庭によって事情は様々です。PTAだけではなく、地域や部活動などで役員を行なって頑張っている人もいます。やれる時にやれることをして協力をするで良いような気がします。
さいごに
私自身も、ひとり親でフルタイムで働いている身ですので、
- 夫婦そろっている家庭
- おじいちゃん、おばあちゃんと同居家庭
- 専業主婦やパート勤務の主婦の家庭
と比べると、ひとつの役員を引き受けた時の重みがこれらの家庭と比べると決して平等ではありません。子どもに留守番をさせて委員会に出席したこともありましたし、仕事を休んで活動に参加したこともありました。自身が病気でも代わりに出てくれる人もいないため、感染症でない限りはなるべく参加していました。言い方を変えると、自分自身と子どもを犠牲にしてPTA活動していた時期もあります。
でも、そんなことは役員決めでは考慮されませんし、子ども1人付き〇回というルールは、子の保護者がひとりだろうと4人だろうと変わらないのが平等とされていました。
もちろんこれについて疑問はあるものの、文句は言ったことはありません。「仕方がないやってあげよう」くらいに思うようにしていたからです。
けれど、役員ノルマをクリアしていなければ『名簿』をもとに名指しされ、黒板の前に立たされ、話し合いやじゃんけんをさせられる決め方にはいささか嫌気もさしていました。公開処刑そのものとも感じられます。下手したら強要罪とかになっちゃうのでは?
今回は、個人情報の取り扱いに関することが露呈し、学校側からも説明と謝罪はいただいたものの、それでも「誰かにやらせなくては」と思うPTA役員決めの在り方は変えていくべきだと感じたのでした。

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