娘の通う高校の吹奏楽部は、今年の夏は県大会に出場するも、残念ながら次の大会に駒を進めることができず、「夏の吹奏楽コンクール」に関しては、ピリオドを打つ結果となりました。
多くの学校でもそうであるように、夏のコンクールで敗退が決まると、3年生の引退や仮引退が決まり、部の組織も次世代へとバトンタッチが行われます。
【比較】中学校吹奏楽部での部員の役職決め
本題の「高校吹奏楽部での部員の役職決め」に入る前に、まずは参考までに娘が通っていた中学校での、部活内の役職決めを書いてみたいと思います。
娘が通っていた中学校では、顧問の意向もあって「役職は必要最低限にする」という決まりがありました。役職は以下です。
- 部長1
- 副部長2
- 各パートリーダー若干名
役職は、世代交代が行われる8~9月頃に決め、主に2年生が役職に就く形にはなりますが、「部活に対する姿勢」「部活の参加日数」「実力」などを考慮し、て1年生が抜擢されることもあります。
選出方法は、部長・副部長は基本的に「立候補」であり、候補者が重なった場合は、3年生を除く部員による投票で決まります。部長選で落選した場合は、なぜか副部長選に出ることは出来ず、役職のない平部員またはパートリーダーで収まる形になってしまいます。
そしてパートリーダーは、各パート内の話し合いによって、各パートから1名選出されます。よって、
- 立候補するために手を上げることができる人
- 部員からの人気がある人
が役職になりやすい傾向にありました。
高校吹奏楽部での部員の役職決め
娘が現在通う高校の吹奏楽部は、「県大会出場常連校&支部大会金賞実績あり」の比較的吹奏楽に力を入れている学校です。(小編成のため、最上位大会は支部大会です)
そんな学校の吹奏楽部では、やはり中学の時とは違う方法で役職を選出しています。
部員の構成【幹部】
部員の構成から、中学の時よりも複雑化しています。
部員数によって人数の変動もあるようですが、まず『幹部』と呼ばれる人たちは、
- 部長1
- 副部長1
- インスペクター1
- サブインスペクター1
の4名です。
部長は部員全体のまとめ役。顧問やコーチと部員のパイプ役。副部長は部長の補佐。
インスペクターは、部活動の日時を決めたり、ホール練習時のホールの手配、顧問や部長からの指示をアプリを通じて部員に連絡をしたり…と部内で1・2を争う忙しい人。サブインスペクターは、インスペクターの補佐。
部長・副部長・インスペクターは2年生から選出。
サブインスペクターは基本的には翌年、持ち上がりで正インスペクターとなるため、1年生から選出すると決まっています。ですので、サブインスペクターに選ばれた1年生は、1年生ながらにして幹部入りが決まり、よほどのことでない限り2年連続で幹部として活動することになります。
部員の構成【音楽リーダー・学生指揮】
次いで、幹部ではないけれど、かなり重要ポジション。(追記:翌年には幹部扱いとなりました)
学生指揮は、音楽コーチが不在時に部員の基礎合奏を仕切ったり、その日の練習メニューを決定し、実行する責任があります。通常は、1年時から学生指揮をおこなっている2年生がリーダーとして就任し、その補佐として1年生から2名選ばれます。
指揮をとるのはもちろん、合奏後の「改善点」や「音の良し悪し」など必要に応じて部員に伝えていかなくてはなりません。人にものを言うことになりますので、「伝えることが上手な人」「音を聞き分けることができる人」「音楽的な技術面において絶対的信頼感がある人物」などが選ばれます。
娘の学校では、この役職に1年生から選出された場合は、うち1人は「次期部長(または幹部)候補」とも言われるそうです。
部の構成【パートリーダー】
こちらはパート内から1名、話し合いで選出します。幹部や、学生指揮の子が兼任することもあります。
部の構成【係】
これは、ものすごく細分化されている模様。
高校では、部の運営そのものをほとんど部員が行っているため、保護者会ですら「名ばかり」のものとなっています(笑)
係の一部ではありますが、
- 企画(イベント時のパフォーマンスなどを考える)
- リペア(楽器の修理が必要になった時の手配)
- 集金(部費とりまとめ)
- SNS(公式ページからの情報発信)
- 広報(協賛金のお願いを企業に行う)
などなど、保護者も顧問も必要が無いくらい(笑)部員で頑張っています。
係は、一人一役以上受け持つことになり、幹部や学生指揮の子も何かしらの係を担当します。
役職の決め方
まずは、部の運営の柱となる「幹部」と、選出にミスが許されないであろう「学生指揮」から選んでいきます。
選出の話し合いは、3年生を含む「現幹部」と顧問・音楽講師で行われます。
まずは、3年生と現幹部での話し合いで候補者を決めます。そしてその候補者からさらに絞り込んで、「生徒目線で適任と思われる人物」を絞ります。
次に、適任と思われる該当者を呼んで、「次期幹部(または学生指揮)」に推薦する旨を伝えます。ここで、断られてしまった場合は、説得するか、別の候補者の中から選出するかになります。
次期幹部(または学生指揮)に推薦された子が「了承」したら、顧問・音楽講師に確認・報告となり、正式決定になります。
ただ、顧問・コーチに話が行く段階では、ダメと言われることはほぼないそうです。
娘の学校では、「一緒に活動してきた中で後輩のことを一番近くで見てきた先輩」の意見を尊重する姿勢のようです。
先輩からの推薦での役職の決め方 メリット
- 部のこれからを安心して任せることができる人材を選ぶことができる
- 幹部間で揉めないように「お互いに仕事がしやすい」人材を選ぶことができる
- 一定数の目立ちたがり(実力の伴わない子)の立候補を食い止めることができる
- 部員の普段の様子を観察することで、人を見る目を養う練習にもなる
- 一定数いる、やる気のない部員の無責任な票に左右されなくてすむ
先輩からの推薦での役員決め デメリット
- 先輩から指名された部員は、まず断れない…であろう
- 多少なりとも先輩の「好き嫌い」に左右される
- 「選ぶ側の先輩がいい加減である」または、「先輩一個人の意見のみで決めてしまう」場合には、この選出方法の最大のデメリットにも
- 決定権のない他部員から反感を買う可能性あり
さいごに
以上が娘から聞いた、高校吹奏楽部での幹部&学生指揮&係決めの全容です。
何故、ここまで詳しく書くことができたかというと、娘が「サブインスペクター」に抜擢され、幹部入りを果たすことになったからです。
娘は1年生ながらにして幹部入りをすることになり、よほどのヘマをしない限り、3年の引退まで幹部に居続けることになるのだとか。
吹奏楽が好きで入った学校でもあるので、娘自身は重圧に戸惑いながらも任務を全うする気ではいます。
(サブ)インスペクターの詳しい仕事内容についてはまた後日、記事にできたらなと思っています。