「ひとり親家庭の引っ越し」ということで今回、一つ記事を書いていこうかと思います。
当然の子よながら大人は一人ですので、引っ越し準備から引っ越し当日の立会いまで私がすべて行いました。さすがに大変でしたが、「引っ越し」というものを一から十までわが身で経験することができました。
引っ越しをしようと思った理由
まずは、ひとり親の家庭の母である私が「引っ越しすることを決断したのか?」について書きたいと思います。
ひとり親というと、
- 貧困
- 大変
などというマイナスイメージが強いと思います。
実際わが家も、子どもたちには申し訳ありませんが、裕福ではありません。
ですが、限られた収入で相応な生活をしている分には何不自由なく過ごすこともできます。実際に、少しずつではありますが、貯金もできています。しかし、1回の引っ越しにかかる費用は決して安いものではありません。簡単に何度も引っ越しはできませんし、引っ越しでの失敗は許されません。
でも、わが家では引っ越しをしました。理由は、
- 子どもたちが大きくなると同時に増えた学用品の保管場所を含め、それまで住んでいた住居が手狭に感じたこと
- 子どもが男女の姉弟であること
- 築年数の古さからくる水回りの不具合が増えたこと
- 単に階段で4階まで上がらなくてはならない生活に疲弊していたこと(古い団地でした)
住居が手狭になった
それまで暮らしていたのは、築年数50年を超える古い団地でした。
3K・6畳一間、4.5畳二間の43㎡(団地間と呼ばれる特殊なサイズのため、同じ1畳でも実際の1畳より少し小さなサイズとなっています。)
わが家では、6畳と1つの4.5畳の部屋は仕切りのふすまを抜いて、居間&寝室(私と息子)として使用しており、もう一つの4.5畳の部屋は、娘の個室として使用していました。
団地に入居当時は2人の子どもは、8歳と2歳であり、まだまだ小さかったので、当時は「広すぎるかな?」と思っていたくらいでした。
しかし、下の子が小学校に入学し、学用品が増えてくると次第に住居は手狭となってきました。特に長期休暇に入る、夏や冬休みにはお道具箱をはじめとする「子どもの私物」がどっさりと自宅に戻ってきます。そうなると次第に住居の狭さを実感することになりました。
子どもが娘と息子であること
年が少し離れているとはいえ、男の子と女の子がいるわけですから、少し先を見ると、「姉弟個別の部屋を用意するときが来るであろう」ことは予測できます。
3K の団地でも、頑張れば物理的には個室を準備してあげることが可能ではありましたが、実際問題子どもたちに一部屋ずつ与えてしまっては私の私物を置く場所もなくなりますし、居間自体が居間ではなくなり、非常に過ごしにくい自宅になってしまうことも目に見えていました。
子どもたちが自然集まり、くつろぐことができる「リビング」を大切にしたいと思っている私にとっては、この古い団地で暮らし続けることは考えられませんでした。
水回りの不具合が増えたこと
私の中ではかなり深刻な問題でした。
団地自体の築年数が50年を超えていましたので、仕方のないことでしたが、水回りのトラブルは毎日団地内のどこかで起きている状態でした。
わが家では「階下に漏水した」というほど大きなことにはならなかったものの、
- トイレが頻繁に詰まる(あふれてしまったことも数回あり)
- シンクが詰まる
- 洗濯排水がうまくいかない
- 自宅内にある配管が日に日にさびてくる
など、気を付けて生活していても「いつ大事故になってもおかしくない」状態でした。
階段で4階まで上がることが辛い
我慢しろと言われればそうなんですが…。
私も体力には自信がある方です。しかし…やっぱり大変なんです。
まず、団地特有の階段であるため非常に狭いのです。
片手に荷物を持つだけでまっすぐ階段を上がることが不可能なくらいです。もちろん人とすれ違うこともできませんので、住人同士は譲り合いで階段を使用します。
買い物、ゴミ出し、出勤時、子どもが小さいときは保育園の送迎時など、片手や両手に荷物を持っての階段の上り下りはほぼ毎日のことでした。
無理な体制で階段を利用することも多々とあり、本当に辛かったです…。
あとは4階だったという事実。
買い物に関しては、ネットスーパーや生協などの利用もしていましたが、日時の縛りがあるのでなかなか積極的な利用はできませんでした。
引っ越し先はどう決めたか?
ひとり親家庭ということもあり、大手の不動産屋さんでは「話すら聞いてくれない」こともあります。(友人が経験済み)
ですので、私の選択肢はそれほどありませんでした。
- (当時暮らしていた)団地と同じ不動産屋さん
- 公営住宅
このいずれかから新しい住居探しをすることにしました。
団地と同じ不動産屋
「今現在暮らしている」という事実があるので、話がしやすいということもありました。不動産屋さんも「借りてもらってなんぼ」ですので、よそに行かれるよりは…と親身になって話を聞いてもらえるのでは?と思ったのです。
取り扱いも多く、通常の賃貸ですので、家賃は団地よりは少々高くなりますが、「築浅物件」「2階建て物件」「子どもたちの学校から近い物件」など様々な良い条件で探すこともできます。
公営住宅
ひとり親世帯を無下にしないであろう公営住宅は、私にとって魅力たっぷりでした。
子どもたちの学区内での住宅もあったので、この引っ越しでは私の選択肢に入りました。
県営住宅は、それまで住んでいた団地よりも「安い」「築浅」「広い」「エレベーター付き」と文句なしの物件が多く、学校から少し遠くなってしまうことを除けば言うことなしのありがたい物件ぞろいでした。
結果的には「当選後に引っ越しすればいいや…」くらいの気持ちで県営住宅への応募をすることに決め、この後はとんとん拍子に事が運んでいきました。
【県営住宅】親族のいないひとり親が県営住宅の応募から仮当選を経て当確を勝ち取った忘備録
ただ、私は支援してくれる親族がいないので「保証人問題」はついて回りました。ですが今の時代、私のような人も珍しくはないようで、様々な制度ができています。
公営住宅でも「保証会社OK」となってきています。(お住いの地域によりますので確認してみてください。)
【公営住宅】連帯保証人がいない人のための家賃債務保証制度の手続き方法を調べてみた
引っ越しへ向けての段取りに一苦労
引っ越し先は県営住宅ですので、入居日はある程度指定されます。(月の後半のどこかで…という具合ですが)その月をまたぐことなどはできませんので、引っ越し業者の都合との兼ね合いで引っ越しをします。
しかし、私も平日は働いていますので引っ越し日までの土日で段取りや荷造りをしていかなければなりませんでした。
公社へ赴く
県営住宅の窓口となる、「住宅供給公社」にも最低でも計3(~4)回行くことになります。(書類などに不備が無ければ3回で良いと思います)
- 希望物件の申し込み時(抽選前)
- 必要書類提出時(当選後)
- 説明会&鍵受け取り時(これは別日のこともあり)
訪れる回数としては多くはありませんが、平日の17時までという制約がありますので、普通に仕事をしている人にはなかなか行きづらい時間帯です。私も有休を取得したり、たまたまの公休日に行ったりと日時を調整をしました。
引っ越し日決め
わが家の場合は、8月の後半に引っ越しを行いました。
約2週間の中から引っ越し日を決めなくてはならないことに加え、『8月の最終週は立て込んでいて忙しい』という引っ越し業者からの申し出がありました。
結局約一週間の中から選ばなければならない状態でありつつ、「料金が割り増しになる休日&休日前」は避けたかった私は、ド平日(火曜日)に引っ越しを行うことにしました。もちろん1日仕事はお休みをいただきました。
各所への手続き
公共料金をはじめとする各所…。
ここに書くにはあまりにも多すぎる各所への連絡も私一人で行いました。(当たり前ですが 笑)
今はオンラインでできる手続きも多いですので、ずいぶんと楽に感じます。しかし、手続きできる日が「入居の何日前から~」と制限があるので、引っ越し日近くに慌ただしく行うことになります。
↓わかりやすいサイトを貼っておきます…。
生活に必要な手続きはもちろん忘れてはいけませんが、中でも「郵便物の転送届」は必ず出した方が良いです。転居時は手続するものが多すぎてどうしても抜けてしまうものもあります。
でも、ダイレクトメールなどで届いたときに旧住所から転送されてきたことで「あ、ここの変更がまだだった!」と気づくことができることもあります。(私の場合は進研ゼミとディーラーがそうでした💦)
もちろん、子どもたちの学校への連絡も行ってくださいね。
荷造り
空き時間に(基本的に空き時間はそうそうない💦)せっせと荷造りをせざる負えませんでした。
- ダンボールを組み立てて荷物を詰め込み
- 蓋をしてガムテープで固定
- 何が入っていてどこの部屋のものかわかるようにマジックで記入…
- 邪魔にならない場所(押し入れ)に保管
この作業の繰り返しです。
娘は中学2年生でしたので、「自分の部屋のもののある程度の荷造り」はさせましたが、段ボール3~4箱詰めただけで「終わった~」と言ってあきらめていました(笑)(実際にはさらに数箱分ありました💦)
家中のもののほとんど私が荷造りすることになり、実に段ボール50箱をゆうに超える量の荷物を一人で詰めました。(もう気合の域でした)
ゴミ出し
県営住宅は当選から入居までの期間が約2か月ほどあります。ですので、その間にできるだけ不要なものは処分しようと計画的にゴミ出しをしていました。
中でも「粗大ごみ」は月に一度の収集の上、一度に出すことのできる量が決められているので、最も計画的に処分する必要があるものでした。
加えて、細い階段を私一人で降ろして集積場まで運ぶので「ものすごく大きな粗大ごみ」は出すことができませんでした。(木製のレンジラック・絨毯など)
子どもたちが小さいときに使っていたおもちゃは、可燃ごみでの回収が可能なものが多かったため、毎回のゴミ出しの日に1~2袋ずつこまめに集積場へ運んでいました。
累計ゴミ袋20袋以上になったと思います。(いらんものありすぎじゃん(;’∀’))
引っ越し先と旧居団地の住人へのあいさつ
本来であれば両者ともに、あいさつの品を持って伺わなければいけないところでしたが、この時は新型コロナによる「まん延防止等重点措置」が出ていましたので、この回の引っ越しでは直接の訪問はやめました。
ではどうしたかというと、
- 団地側の住人には、手紙をあいさつの品に添えて、各戸のドアノブにかけました。
- 新居側の住人には、同じフロアーの人と、真下の階の人には手紙とあいさつの品をドアノブにかける。
- 組長さん宅にはあいさつの品を持って直接訪問し、手短に挨拶をする。
- その他の住人にはあいさつの手紙をポストに投函する。
(共通して、コロナ禍であるため直接の訪問は控えたことを一筆添えました。
特に新居側の人は、「どんな人が入居するんだろう…?」と不安になる方もいるでしょうから、少し迷いましたが手紙には苗字はもちろん、家族構成まで書かせてもらいました。
引っ越し当日もバタバタ…ご飯を食べる時間すらない
わが家は引っ越し業者の営業の方から「荷物が多い」と評価された(笑)ことから、引っ越しの前日夜に可能な限りの荷物をトラックに積み込む作業(「宵積み」と言うみたいです)も行いました。
布団と冷蔵庫とテレビ、洗濯機以外のものはあらかた積み込まれた状態で一夜を過ごし、翌朝8時から再び作業開始でした。
午前中の作業は11時頃にひと段落し、引っ越し業者の人は新居への移動中にお昼ごはんを兼ねたわずかな休憩時間に入ります。
しかし私はそうもいかず、このお昼の時間に
- 旧居の退去点検の立会い
- 管理会社からの説明
- エアコン取り外し業者の立ち合い
- 合間に新居への移動(近場ですのでそれほど時間はかからず)
- 新居へのエアコン取付の立会い
- 新居ガス会社の開栓の立会い
をこなし、昼ご飯どころか水分も取れないまま引っ越しの搬入作業が始まってしまいました…。(引っ越し業者の方は「食事どうぞ」とは言ってくれていましたが、バタついている間に一人食べている度胸はありませんでした💦)
引っ越しの搬出時より、搬入時の方が私から業者さんへの指示が多くなりますので、もうここからはノンストップです。8時からの作業でしたが、結局15時ごろまでかかってしまい、その間私は食事はとれませんでした。これは大人がもう一人いればまた状況が違っていたと思います。
さいごに
1回引っ越しするのにも、敷金や引っ越し作業代などで大きな出費となります。加えて精神的な疲労も少なくありません。私の中では、人生の大きなイベントのみたいものです。
引っ越しそのものはとても大変でしたが、次回また引っ越すようなことがあっても、今度は子どもたちが大きくなっているため、大人3人がかりでの引っ越しとなるでしょう。次回は子どもたちの戦力も期待できそうです。
大変な引っ越しは今回限りかなと思っています。
そして最後にですが、参考までにこの引っ越しでかかった費用をざっくりとご紹介します。
- 引っ越し作業代
(エアコン工事費込み)90000円
- 粗大ごみ処分費他 15000円
- 新居敷金 110000円
- 娘のベッド・カーペット などの購入費
約40000円
合計 約255000円
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