我が家は頼れる親族のいないひとり親世帯です。
今回の話のポイントは、同じひとり親世帯でも頼れる親族がいるのか いないのかの違いです。
この両者の違いは非常に大きな違いなのです。
特に子どもが小さいうち(未就学児くらい)は頼れる親族がいないことがネックになり仕事探しで採用をもらうことが厳しくなります。
運良く採用を頂けたとしても正社員であることは非常にまれであり、勤務時間数が少ないパートやアルバイトでの採用になることが多いです。
もちろん、持っている資格や希望する職種によっても違いがありますが、ひとり親世帯にとって「頼ることのできる親族の有無」はかなり大きな差になります。
今回は、頼れる親族のいない中、ひとり親世帯の家計を支える私がどのように仕事探しを行ったのかを実体験をもとに書きたいと思います。
ひとり親として職探しをしていた当時の私
まず本題に入る前に、当時の私がどのような人材(笑)だったかを書きます。
- 最終学歴 高卒
- 年齢 30代半ば
- 6歳、1歳の子を抱えるシングルマザー
- 頼ることのできる親族はいないが、近くにかなり親しい友人はいる
- 持っている資格→運転免許・調理師免許・英検4級(笑)くらいしかない
- 一応、医療事務の勉強は終えている
- 幼児食アドバイザーという民間の資格も取得
子どもが小さいことと、頼ることのできる親族がいない点でかなり就職に不利な状況です。ただ、年齢がまだ若いので職種を選ばなければ再就職の可能性は大いにあります。
(再就職先を探す前にもフルタイムでお勤めはしていたのですが、県をまたぐ引っ越しとともに退職せざるを得ませんでしたので、改めての職探しとなったのです。)
希望の働き方
- 直接雇用であることがベスト
- 日勤
- 日曜・祝日は休みであること
- 正社員またはそれに準じた雇用形態
直接雇用
ひとり親として家計を支えていかなくてはならないため、できるだけ長く勤めることができる職場で直接雇用という形での採用にこだわりました。
一時的なつなぎである場合は、派遣や有期雇用の職場でも良いのですが、やっぱり第一に安定した収入が約束されていることが安心材料でもありましたし、何度も面接&再就職をすることも面倒くさいと感じていたので、末永く働くことができるであろう「直接雇用の職場」を探しました。
日勤
幼い子どもが2人いたので、「自分が夜に不在になる」という選択肢はありませんでしたし、そもそも子どもの保育園の開園時間に合わせるとなると、必然的に日勤しか選択肢がありません。
日曜祝日は休み
子どもの生活に合わせるのあれば、必然的に「カレンダーの赤い日は休み」の仕事探しとなります。
職場によっては、日曜祝日を希望休みで乗り切れる場合もありますが、サービス業や接客業などでは、肩身が狭くなる恐れもあります。(経験済み)
ですので、自分の精神衛生上においても、日曜祝日休みの仕事を探すほうが良いと判断しました。
正社員またはそれに準じた雇用形態
収入の安定のためには、本当であれば正社員一択です。
しかし景気自体が良いとは言えない時代、どこの誰とも知らない大した資格もないシングルマザーを、いきなり正社員で雇ってくれる会社なんてないと思っていました。
ですので、採用される率を上げるためにも、パートで採用をいただいて自力で正社員を目指すか、常勤のパートで長い時間働くことができるところを探そうと思っていました。
工場のライン作業
人生で一度もやったことのなかった仕事でした。
この仕事は、知人からの紹介で「派遣」という形で1か月だけ行くことになりました。誰にでもできる軽作業であると事前に聞いていたため、期間限定であるということもあり、正式な仕事が決まるまでのつなぎとして気軽に面接→採用という形で働かせてもらいました。
(派遣会社に登録も人生初体験でした。)
仕事内容
化粧品の検品、箱詰め、ラッピングなどその日によって持ち場が変わります。一見、たいしたことなさそうな仕事ですが、ラインの流れがとても速く、全く作業が追い付かないです。(1秒に1個は通る感じです)
もちろん数人1グループで行うのですが、慣れている人は速いこと速いこと( ;∀;)
この仕事では、私は完全に足を引っ張っていたと感じました。
勤務時間
当時は派遣で働いていたので、9時から16時で働かせてもらいました。
しかし、全体的な作業の遅れがあった場合などは30分から1時間の延長をすることもありました。(時間給はつきます。)
かなり神経を使う仕事ですので、合間に休憩時間が設けられており、12時から1時間の昼休憩のほか、10時と15時に各10分の小休憩がありました。
工場の直接雇用の正社員は、基本8時から17時の9時間拘束ですが、繁忙期だったこともあって早く出勤したり、夜遅くまで残っていたりとかなりの残業をしていたようでした。
ひとり親としての仕事としてはどうなのか?
大手企業の工場の正社員になってしまいますと、3交代(深夜勤含む)のところも少なくないと思います。
子どものいる家庭では、夜勤や深夜勤をして大人が家を空けることは、あまりお勧めできません。
私が派遣で行ったような個人で経営しているいわゆる町工場的なところでしたら、基本日勤で働くことのできる工場もあります。ただ、その場合でも繁忙期にはかなりの残業があるようです。
頼れる親族のいないひとり親の母が工場勤務をする場合、パートとしての契約になってしまうかなという印象です。(工場でも、事務方であればまた待遇が変わると思います。)
調剤薬局(医療事務)
医療関係なら勤務日、時間ともに申し分ないのでは?と思い、医療事務の勉強を終え、運良く募集のあった近所の調剤薬局にパートとして採用が決まりました。
この仕事もマスターできれば専門職と言っても過言ではありませんので、経験は全くなかったのですが、1から覚える気持ちで頑張ろうと思ったのです。
仕事内容
- 患者さんからの処方箋を薬剤師に渡し、薬袋や説明書の印字を行い、お薬手帳にシールを貼る作業など、薬剤師の補助的な動きをする
- 薬袋などの補充・発注、事務用品全般の管理(薬品は薬剤師の管理)
- その日受け取った処方箋のデータ化
- 薬局内外の掃除、患者さん用のドリンクサーバーの管理
- OTC医薬品の管理、発注
- 業者対応、電話番
- 患者さんからの要請があればタクシー配車依頼
などなど…。覚えることが山積みで、知識が0だった私はかなり大変な思いをしたのです。
勤務時間
調剤薬局は近隣の病院の診察時間に合わせるため、営業時間は多少の違いがあります。私は短時間パートだったので、月から金曜の10時から14時の勤務でした。(勉強期間だと思って割り切った勤務をしていました)
当時、この調剤薬局では事務の正社員で働いている人がすでにいて、私はその人の補助的役割でした。
ちなみに正社員ですと、8時半から18時半の拘束時間でした。(休憩が長めになるそうです)日祝日・盆・正月はお休みであり、木曜と土曜は13時までの勤務でした。
面接
面接時に筆記テストと、パソコン入力の実技テストを行いました。
筆記テストでは
- 医療関係の漢字の読み書き問題
- 時事問題
- 常識問題(丁寧語、謙譲語の正しい使い方)
などが出題されました。
パソコンの入力テストは、あらかじめ用意されている印刷物の文章を決められた時間内に写して入力するものでした。(10分くらいだったように感じます。)
待遇
調剤薬局の時給や待遇は結構よく、時給は1分単位でつきました。入社時には自分と家族全員分の災害食と保存水を支給され、これらは自宅で保管するように言われました。
その他にも定期的に懇親会もあり、リゾート施設の利用も可能でした。
入社後にも定期テストがある
待遇の良さの裏には厳しい社員教育もあります(笑)
月に1回、薬に関しての知識を確かめるための定期テストがありました。
このテストは薬剤師はもちろん、事務員も同じ問題を出されるのです。
まあ、事務員ですのでそこまで高度な知識は要求されませんでしたが、それでも赤点は恥ずかしいです…。いかにカンニングができないか考えた記憶があります。(勉強しろと言われそうですが💦)
ひとり親の仕事としてはどうなのか?
結果的に退職してしまった私が言うのもなんですが、個人病院に併設されているような調剤薬局での仕事は、慣れればありだと思います。
私の場合は、
- 1日当たりの患者数が多すぎて仕事をきちんと教わる暇がなかったこと
- 薬剤師が多すぎたこと(常時6人。それだけ患者数が多いということです。)
- 事務職が肌に合わなかったこと
- 時間が短すぎて(収入的に)生活することができないこと
などもあって短期間でやめてしまったのですが、
- 正社員で雇用してもらえる
- ある程度の仕事がわかっている(調剤薬局での経験がある)
- 薬剤師が常時2人~3人くらいで回しているような薬局でほどほどの仕事量のところ
であれば、ひとり親であっても無理なく勤めることができると思います。
勤務日も平日ですし、時間も保育園の送り迎えに間に合うようなところが多いです。
ただ、総合病院の医療事務になってしまいますともっと拘束時間が長くなり、月末月初などは事務処理のために残業ということもあります。注意が必要です。
給食調理
はじめの項目にも書いたとおり、私は調理師免許は持っています。(私の持っている資格の中では、これが一番使えそうですよね💦)
それまで給食施設で働いたことはなかったのですが、飲食店や惣菜店では調理の仕事はしたことがあったので、全くの未経験でもありませんでした。
給食施設とは言っても、病院・高齢者施設・学校給食・保育園など様々な場所での働き方があります。
その中でも、私は自身の子どもたちのこともありますので、
- 日曜、祝日休み
- 日勤
- 正規採用の見込みがあるところ
- まとまった時間数が働けるところ
を条件に探しており、最終的に学校給食か保育園給食のどちらかで考えたのです。
学校給食での求人
正社員の募集はほとんどなく、あった場合でも正社員は7時半から16時半の時間帯での募集でした。しかし、7時半の出勤は正直不可能でした。
というのも、子どもが通っていた保育園の受け入れが7時半からだったからです。
7時半に預けてから職場に直行しても、遅刻は免れませんよね💦
ではパートであった場合、9時から15時または16時くらいで募集はありました。しかし、学校が夏休みになると給食センターもお休みになります。正社員の人はよその施設への手伝いがあったりで仕事はあっても、パートは丸っと1か月お休みになってしまいます。
お休みの間の1か月分の収入は確実に入りません。
生計を支える大黒柱になる者としてそれでは困っちゃいます。ということで、学校給食での求人を探すことはあきらめました。
ちなみに、給食センターは割と交通の便が悪いところに(私が暮らしているところはほぼ山のようなところ)あることが多く、自動車がある人か自転車で通うことのできる距離の人くらいしか応募できない立地条件でした。
保育園給食
結果から言うと、私は現在ここで収まっています。2024年で10年目になりました。
保育園での給食調理の仕事は、1施設につき1~3,4名の採用であり、特に主婦層にとっては都合の良い勤務日、勤務時間となっているところばかりですので、欠員が出ることはあまりない職種なのです。
無資格でも応募ができてしまうことも、求人倍率を上げている原因の一つです。
そもそもの求人数・採用数自体が非常に少ないのです。
保育園給食は仕事としておすすめ
主婦層に人気の職種なのですが、ひとり親世帯の母にもお勧めです。
- 平日の仕事(土曜日はなしか月1回程度)
- 時間も8時から18時の間で設定されているところがほとんど
- 子どものことで(病気など)理解してもらいやすい
- 保育園で働く人の多くが主婦(場所にもよります)
- 意外とシングルマザーは多い
- 資格がなくても応募できる(採用されるかは場所によります)
- コロナでも休業要請されなかった(仕事があった)
など、私の希望する条件にぴったりな職場だったのです。
個人的には、ひとり親世帯優先で雇用促進しても良い職種だと思っていますが、現実問題なかなかそうはいかないでしょうね💦
少しだけデメリットもあり
- 福祉施設なので、給料が安め…
- 給食室では栄養士が一番需要がある
- 栄養士の資格を持たないと、正社員は厳しい
私は調理師の資格を持ちますが、雇用形態はいまだ正社員ではありません(´;ω;`)
ですがフルタイムで働いているため、社会保険には入れてもらえて、年数回のボーナスもあり、近隣の同業他社と比べると、多くお給料をいただけている印象です。今のところ文句は言うまいと思っています。
どんな仕事をするのか
調理師としての仕事は基本的なものでは、
- 日々の給食・おやつ作り
- 配膳
- 食器や調理器具などの洗浄
- 給食室内の清掃
- 調理器具のメンテナンス
- 給食会議への参加
- 園内会議への参加
- 食材の買い出し(業者に発注しているもの以外のもの)
- 食育活動
- 園児や保育士と話す(いろいろな情報を聞き出す)
となります。
そして栄養士となると、
- 献立作成
- 栄養価計算
- 食育活動計画
- 発注業務
- 日報作成
- 食材の在庫管理
- アレルギー児対応
- 保護者対応
などが加わります。
ひとり親家庭の母をやっている友人たちの職業
デイサービス
一人は高齢者介護施設(デイサービス)でパートをしています。
日曜祝日関係なしに働くことができるようですが、小さな子どもがいますので、日曜日は必ずお休みをもらっていると言っていました。祝日に関しては母親に預けることができるそうなので問題なく仕事に行けるとのこと。
デイサービスですので、勤務も8時半から17時であり、当然夜勤などはありません。
しかし、グループホームが併設されているので、正社員になるともれなく月数回の夜勤をしなくてはいけなくなるとのこと。
(のちに、この友人は夜勤も含む正社員の道を選択しました)
社会保険加入、ボーナスあり、資格手当ももらえているとのことです。
飲食店
もう一人の友人は、個人経営の小さな飲食店で短時間(4~6時間)パートとして働いています。
成人している子も含め、子どもたちが大きいですので、この友人は曜日・時間は関係なく働くことができます。(成人している子も給料の一部は家計に入れてくれているので生活は成り立っています)
この友人の勤務先は個人経営の飲食店ですので、賞与はもちろんありませんし、国民健康保険で賄っています。(成人の子の扶養には入っていないそうです)
さいごに
一般の人と比べるとやはり就職には不利になりやすいひとり親世帯の母ですが、年齢が1歳でも若いうちに長く務めることのできる職場に出会えると良いですね。
私自身40代になって、本当に手に職って大事だなと感じました。
保育士・栄養士・看護師・介護士…これらの資格を持っていると就職にはかなり有利ですし、採用後の生活は安定します。
ですが、あきらめないでください。私のような低スペックな人間でも無事に就職できています。
子どもも年々大きくなって手がかからなくなってきますし、お手伝いや留守番もできるようになります。本当に大変な時期は、そんなに長くはないのです。
当時6歳、1歳だった我が子たちも17歳と12歳になり、ずいぶんとたくましく成長しました。過ぎてしまえば大変な時期はあっという間でした。
今小さな子どもを抱えて就職活動をされている方へ、できるだけ長く務めることのできる職場に出会えることを願っています。
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