母子生活支援施設とは、18歳未満の子を養育している女子またはそれに準じる女子を子どもと共に保護し、自立に向けた生活の支援をおこなってくれる施設です。
一見母親のための施設のようにも感じますが、実際は「児童福祉施設」であり、母親を通して子どもたちを守る施設という位置づけです。
私もモラハラ元夫のもとから逃れた際には、「離婚が成立し、生活が安定するまでの間」お世話になりました。
期間としては1年8か月という比較的短い期間でしたが、その間でも様々な人との出会いがあったのです。
今回は母子生活支援施設で出会った、実在したママたちの実態に触れたいと思います。(あくまで、私がいたところの話ですので、よそでは全く違うかもしれません。そこはご了承ください。)
人との距離感がおかしい隣人
私とほぼ同時期に入った世帯のママでした。とりあえず隣人ということもあって「はじめまして」のあいさつをすると、なぜかなつかれてしまいました。そしてこの隣人が厄介な人だったのです。
(今思えばはじめから人との距離間がおかしな人でした)
同じDV・モラハラ被害者という共通点があったためよく話をしていました
母子生活支援施設に来たいきさつが似ていたこともあって、始めはそれなりに話をしていました。
彼女の状況は、『パッと見て夫に手を出されたことがわかるほどのケガをさせられた』
とわかるものでした。ケガしたときの証拠となる写真や、ボイスレコーダーなども持っており、離婚は簡単に成立させられそうな証拠も多かったです。
しかし、離婚調停に向けての不安もあったのか、私に対して「離婚相談」をしてくるようになりました。
もちろん、私は専門家でもありません。ですが、私自身も「離婚」に向けて動いている身ではあったため、「お互いに情報を共有できれば良いかな」くらいの気持ちで割と真剣に彼女の話を聞いていたのです。
なぜか1日中入り浸られる
そんな彼女は次第に毎日我が家(と言っても本当に隣です)に入り浸るようになってしまったのです。しかもしつけのされていない、乱暴な子どもたち3人とともに…。(いや子どもたちに罪あはありませんが、なかなか腕白な子たちでしたので我が家の子がかなり押されていました。)
彼女の話の内容は主に
- 夫からされてきた仕打ち
- 夫とのやり取りの録音の確認
- 母子生活支援施設の職員に対する不満
- 子どもたちのこと(不登校気味だったことから)
- 離婚に向けての悩みや相談
と言ったものでしたが、私の都合はお構いなしでの訪問でした。ひどいときは、朝の7時半から夜の11時過ぎまで滞在した時もあります。
もうここまで来ると「常識範囲」からかなり外れたものであると感じ、次第に隣人との付き合いに窮屈さを感じるようになりました。
そして次第に私は隣人との距離を置くことを考え始めたのです。
入り浸りママがバイトを始めると言い出した
日中居室にいたくなかった私は、派遣や期間が定められているような仕事をするようになりました。単純に桶根を貯めたいという気持ちもありましたが、何より施設内にいることで、よそのママに入り浸られるのも苦痛だったというのもあります。
この時期になると、入り浸りママは隣人と上の階のママの2人に増殖しており、どちらかが居なくてもどちらかが居る・または、ダブルで居座っている…という最悪な状況もありました。なぜ我が家が選ばれるのだろうこれはいまだに謎です。
そんな時に、一人のママがありがたいことに「自分もバイトをする」と言い出しました。もちろん私は大賛成。だって、外にで出ていてくれれば我が家に来ることもないですもんね。
隣人は無事バイトに採用されたものの問題勃発
さて、そんな彼女が見つけてきた仕事は、ファミレスのウエイトレス。
まあ、いいんじゃない…と思っていたら、
「初日までにメニューを覚えてきてって、言われたんだけど…」
とまたまた我が家に。(そんなことは一人で何とかしろ!!)とは思ったものの、「まあ前向きな相談だから仕方ないか💦」と話を聞くと、なんと!
メニューが読めない
というではありませんか(;゚Д゚)ナ・ン・デ・ス・ト??
そんなに難しいのかと、拝見させてもらうと、さほど難しいことは書いてありません。
「冗談言ってるの?これ、全く難しくないよ…。」
すると彼女は、「私漢字読めないんだ。」と平然と言い切りました。
(彼女に識字障害があるとかいう話は一切聞いたこともありませんし、本人も「健常」と言っていました。)
とはいっても、全く読めないわけでもないらしく、小学校3年生くらいで習う漢字になるともうお手上げ。
私絶望(;゚Д゚)と同時に、色々とショックも受けました。
漢字が読めないママは就業規則も読めない
隣人の彼女はメニューはもとより、就業規則すら読めません。なので、まずは就業規則を私が音読して差し上げました"(-""-)"
ところどころ難しい表現があるところでは、どうやら意味も分からないらしくいちいち
「〇〇ってどういう意味?」
と子どものように聞かれるので、説明しながらの音読でした。
就業規則を読むだけで私の時間・体力はかなり消耗してしまったのです。
就業規則を読み終わっても、肝心のメニューが残ってる、さあどうする?
もうこっちは『ルビを振る』というスキル(笑)を使わせてもらうことで許してもらいました…。それでも結構な量ですので、私の気持ちはもう瀕死状態。
さらに衝撃の事実!
就業規則、メニュー名など漢字という漢字の読み方をすべて彼女に教え、私はくたくたでしたが、それでも仕事さえ始まればわが家に入り浸ることもかなり減るだろうと期待し、彼女に「ところで週にどのくらい働くの?」と聞きました。
「週1日3時間!仕事するの!( *´艸`)」
脱力…
意外にもバイトはまじめにいったものの…
その後彼女は、バイトには休むことなく行ってはいましたが、試用期間の3か月が終わって、本採用になることはありませんでした。
採用することはできないとお断りされたそうです。
そりゃ、そうだろうな。私でもお断りだわ…
そんな隣人との別れはあっさりしたものだった
バイトをクビ(?)になった彼女は再びわが家に入り浸ることになりました。さすがに、我慢の限界が来ていた私は、ある日また入り浸っている彼女に一言きつめに『これまで我慢していたこと』を伝えました。
すると、もう次の日から私を避けるようになったのです。
「なんだもっと早く思っていることを伝えればよかったんだ~。」
と感じたのでした。
そしてその後、彼女とは話をすることもなく、彼女自身が夫の元の帰るというおかしな結末で完全にお別れという形になったのです。
しかし後から聞いた話、私を避けている間にも彼女の「異常な行動」はあったようなのです。
私を避けるようになった彼女は
私に振られた腹いせか(笑)施設内利用者や職員に、
「おやっさんって、偽善者なんだよ~~~」(お、偽善者という言葉は知っているのか!)
と言いふらしたり、
私が日よけにかぶっている帽子にまでイチャモンつけたり、(別に構わん!)
挙句の果てには、なぜか私を泥棒扱いまでしてきました。(これはいただけん!)
おやっさんにお金を盗まれた??
これはのちに話をするようになったママ(Bさん)から聞いた話です。
私に振られて彼女は、次なるママ友を求めてBさんの元へ…。
ある日、午前中から彼女と行動を共にしていたBさん。突然、彼女から
「おやっさんにお金を取られた!!!!」と言われました。
Bさんもすかさず、「いつ?」と聞くと、
「今日!!!」
というが早いか、施設の職員のいる事務室にダッシュして向かったようです。
そして職員に『おやっさん泥棒報告』をしてすっきりした彼女は、再びBさんのもとに…。
Bさん、彼女が職員と話している間に今日あったことを振り返っていたそうです。
- 今日はおやっさんとは会っていないし、見かけてもいない
- 今日、午前中に彼女自身がガス料金を支払っていたこと
を思い出し、彼女に指摘。私の泥棒疑惑は晴れました…。
ところが、彼女自身施設の職員には訂正を入れなかったため、Bさんが代わりに『おやっさん泥棒報告』はこの彼女の勘違いだったことを言ってくれていたようでした。
隣人の虚言を聞かされた母子生活支援施設の職員は
私は施設の職員からこの件について何も言われたことはありませんでした。
のちに聞いてみると、
「おやっさんさんは、そんなことする人じゃないってわかっているから。あれはあの人(彼女)の虚言かなと思って聞き流してた。」
とのことでした。
まあ、職員さんがまともな人だったので私的には良かったですけどね。
なぜかグイグイ来るママ
ある日突然友達のように話しかけてきたママ(Cさん)がいました。この人も、『夫からのDV 』が原因で入所していました。私もこの時は隣人による変な免疫がついたこともあって、気軽に話しかけてくる人には『警戒』するようになっていました。
ですが別に話しかけられれば、私も無視したりするタイプではないので、距離を適度にとりつつもそつなく付き合っていました。…と思っていたのです。
ところが、ある日突然『おやっさんがCさんを無視したこと』になっていました。Çさんは施設内で私のことをそのように言いまわっていたそうです。
無視も何もそれほど深い付き合いではなく、そのようなことを言われる心当たりがなかったので、何が原因でそうなってしまったのか?
今となってはもう知ることもできません。
その後、そのママも元夫とよりを戻し、夫のもとに帰っていきました。
母であるより女であることを優先するママたち
これは残念ながらかなりいました。若い人から、40過ぎの人まで年齢問わずにです。
出会い系は当たり前…母子生活支援施設なのに彼氏?が迎えに来て、お泊りデートに行くとかもよくある光景でした…。ドン引きです。
いえ、新たな出会いを求めること自体悪いことではありませんし、個人の自由です。夫との離婚さえ成立していれば何の問題もありません。
ですが、母子生活支援施設の多くの利用者は「夫からのDV」によっての入所でした。
夫からのDVが原因で入所したというのに…全く懲りない人たちです"(-""-)"いや、人それぞれでしょう。
身内が毎週遊びに来るママたち
これは正直迷惑でした。毎週母親や兄弟が遊びに来て大騒ぎしていました。と言うのも、私を含む何世帯かは、頼れる身内が居ない状態での入所でした。
妬みに聞こえるかもしれませんが、
「毎週遊びに来るくらい心配ならば、実家に住まわしてやれ!」
と本気で思っていました。
さいごに
女であることを優先するママたちと、身内が遊びに来るママたちは、盆・暮れ・正月はまず施設内にはいません。外泊届を出して彼氏のうちや実家で過ごしていました…。
なので、この期間は非常に静かで快適でした(笑)
ですがこれは、母子生活支援施設としてOK事項なのでしょうか?
母子生活支援施設は、今もなお入所待ちの人が多いと聞きます。本当に必要な人に支援が行きわたるように身内の支援が受けられる人は、周りに配慮するべきだと思っています。そして入所できるまでの制度そのものの見直しも必要になってくるのではないかと思っています。
私は施設にお世話になったのはたった1年8か月の間でしたが、その間にもいろいろな人に出会い、「人を簡単に信じないようにすること」を学びました💦
もちろん全員がそうではありません。施設内で親友と呼べるほどの友達もできたくらいです。ひとり親として頑張っている(頑張ろうとしている)人もとても多いです。
これから母子生活支援施設の利用を考えている人に伝えたいことがあります。
人は「悪い方」へ「楽な方」へ流されやすいです。一度「楽」を覚えてしまうと元の生活に戻ることは容易ではありません。自分をしっかり持って目標に向かって親子で幸せな生活を手に入れるために頑張ってほしいです。
母子生活支援施設は楽をする場ではありません。
これからのために一時的な住居を借り、母子だけで生きていくための生活の基盤を作るための施設です。
母子生活支援施設にいる間に「今後の住居」「貯金」「仕事」の準備をする必要があるのです。
私も施設入所当時、職員さんから「人付き合いはしなくても良いからね」と言われていました。初めはこの言葉の意味が分からなかったのですが、今思えば「私が悪い誘惑に流されないために忠告してくれた言葉」だったのだと思います。そのくらい、様々な事情を抱えたママが利用する施設だということです。