部長をはじめとする幹部を目指す 高校吹奏楽部幹部への道

現役高校吹奏楽部員の娘を持つおやっとです。

今回は、気にはなるけれど聞くに聞きずらい「高校吹奏楽部での部長をはじめとする幹部の選出」について、娘から聞いた話をもとにまとめていきたいと思います。

今回の話は、娘の通う高校での話が中心となりますので、学校によって異なる場合があるかもしれません。一例として読んでいただければ幸いです。

高校吹奏楽部での幹部の決め方

娘の友人情報も含めて、聞いたところによると「高校吹奏楽部では先輩や顧問からの推薦(打診)で決まる」ところが多いのです。

以前、記事にもしたことがありますが、娘の学校でも「先輩からの指名」という方法で幹部が決まります。

中学校までは、「立候補」である場合がほとんどです。しかし、高校の場合はそういうわけにはいかない理由もあるようなのです。

「やる気」は大事だがそれだけでできる業務ではない

高校の吹奏楽では、「生徒たちが率先して運営」しなければならないのです。

中学校の吹奏楽は、よほど力を入れている私立校でない限り、

  • 授業外活動(任意)
  • 高校へのステップに過ぎない活動内容&時間
  • 指導は顧問、運営はほぼ保護者会任せ
  • 部長や副部長は正直だれでもよく、ほぼ名ばかりの存在であることが多い
  • どちらかというとパートリーダーさえしっかりしていれば何とかなる

と、少し強めな書き方をしてしまいましたが、結構これが現実だったりします。決め方も立候補であるあたりがそれを物語っていると思いませんか?

立候補が悪いというわけではありませんが、

  • 実力の伴わない目立ちたがりが立候補する
  • 本当に実力のある子が埋もれてしまう
  • 素行の悪い子でも立候補してしまえば部長になってしまう可能性もある(対立候補がいないときなどはかなり危険)
  • 部長という肩書欲しさに立候補→当選後仕事はしない(副部長に丸投げ等)

など、良くないことにもつながります。実際に娘が中学校の時も、上記の事例のうちのいくつかは当てはまる状態でした。
でも中学においては、部長はだれでもいいんです。運営をするわけでもなく、運額指導をするわけでもありませんので。主な仕事は、部員への声掛けくらいのものなのです。

ところが、高校ではそうもいかないのです。
音楽的な指導は、専門の先生が一任しているのですが、中学までは保護者会が行っていた業務をすべて生徒たちで分担して行わなくてはならないからなのです。

  • 部費の徴収→顧問まで届ける
  • 各所へのが定期演奏会協賛金の回収
  • 定期演奏会舞台演出
  • 衣装や部Tの取りまとめ→発注、集金、支払い
  • 楽器の修理、点検の依頼
  • コンクールなどの遠征時のタイムテーブルの作成
  • プログラム作成
  • 宣伝、広告(SNSなど)

これでもごく一部ではありますが、高校生ともなれば、生徒たちは社会勉強もかねて部の運営そのものも行います。

基本的には係そのものは一人2役ほどをこなしていますが、部長をはじめとする幹部は、部の全体を把握して切り盛りできる人材である必要があるのです。
「目立ちたい」「かっこいいから」という生半可な気持ちではとても務まらない仕事なのです。

そこで高校では、次世代の部長をはじめとする幹部(学校によっては執行役というところもある?)は、後輩の様子をよく知る先輩が指名するという方法をとっているのです。

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同級生の意見は無視?なぜ先輩からの指名?

これからの部を運営していく身としては、同級生の中から部長をはじめとする幹部が選出されるというのであれば、「自分たちの意見を伝えたい」という気持ちも生まれますね。中には「自分をアピールしたい」と思う人もいると思います。

でも、同級生同士の話し合いや推薦となると、

  • 人気投票
  • 押し付け合い
  • 結局やりたい人が声を上げて実質立候補

となってしまうこともあるのです。

なのであえて同級生の意見より、1~2年間後輩を見てきた「先輩の目」での選出をしているのです。高校生ともなると、考え方も大人と変わらない子もいますので、「好き、嫌い」だけでの判断もしなくなってきます。
先輩も、適当に選ぶわけではありません。部の将来を考えての選出をしてくれます。

では、先輩から「幹部入り」の指名を受けるにはどのようにすると良いのか?

  • 真面目に部活動をおこなう
  • 1つの楽器を極める努力をする
  • 部員みんなと仲良くする
  • 報連相をきちんとおこなう
  • 決まりを守り、勝手な行動をしない
  • とにかく向上心!全力で活動!

まじめに部活動をおこなう

まずは「活動はまじめに」です。

  • 必要以上に休まない、遅刻や早退もしない
  • 練習は真剣に
  • 準備や片づけは率先しておこなう

病気やけがなど致し方ない場合を除いて、部活動のある日は参加しましょう。そして、自身の演奏技術の向上を目指してまじめに練習をしましょう。
また、先輩たちは普段の動きも含めてしっかり見定めています。準備や後片付けなども率先して動くようにすることでかなり印象が良くなります

1つの楽器を極める努力をする

高校吹奏楽部では多くは、「中学校の時に経験していた楽器」でパートが決まることが多いです。
その理由は、

  • 中学3年間の練習でかなり上達していること
  • 中学での楽器決めですでに顧問から「口の形と相性の良い楽器」を選んでもらっていること

などです。

実際には、部内でのバンド編成の問題もありますので、すべての子に該当はしませんが、多くの子はすでに中学の時の顧問から「適正と思われる楽器」をあてがわれています。
ですので、中学高校と吹奏楽を続ける子はあえて「楽器の変更をしたい」という子も少ないですし、経験楽器をすることで即レギュラーの座も十分に狙うことができます。

ところが中には、「中学の時にできなかった希望楽器をしたい!!」という子もいます。高校でのバンド編成次第では、担当楽器の変更も可能ではありますが、木管→金管や、金管→木管というように、奏法が全く異なる楽器への移動はあまり好まれません。もちろん、顧問の推薦やバンドバランスから見てそのほうが妥当と判断される場合は別ですが、そうでない場合は「自分の(欲の)意志」を貫くことは「協調性に欠ける」と思われても仕方ありません。

それよりは、「中学の時からやっているからさすがに上手だよね」と思ってもらえるようにすることのほうが、先輩から後輩からも一目を置かれる存在にはなります。

楽器を変わった…というのは、高校吹奏楽部内では「初心者扱い」となる場合もあります。(専門的なことの多い吹奏楽では、入部後初心者、経験者と呼ばれ、経験者は何かと先輩からも頼られる存在であることが多いです。)

部員みんなと仲良くする

女子にありがちですが、「一部の人としか話さない」「特定のグループで群れる」というのも、実はあまりよくありません。
先輩も後輩も同級生も誰とでも話すことができて、多くの人から「話しやすい」と思ってもらえる人物になりましょう。

多くの人と話すことができるというのは、「まとめ役」としてはとても大切なことです。

報連相はきちんとおこなう

何かトラブルが起きたり、困ったことがあった場合は、隠さずに「報告」「連絡」「相談」ができる人になりましょう。これは社会に出てからも非常に重要なことなので、高校の部活動内でクセ付けておくと今後の人生にも役立ちます。

報連相をおこなうことによって、トラブルを最小限に抑えることも可能ですし、部内で情報を共有しやすくなり、同じ過ちを起こさないように注意することにもつながります。

常日頃からそういった機転が利く人は、先輩からも一目置かれる存在となります。

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決まりを守り勝手な行動はしない

吹奏楽は「チーム」です。たった一人のわがままでサウンドが台無しになることもあります。
そうならないためにも、「きまり」は必ず守るようにしましょう。

  • 部活動開始時間に遅れない
  • 遠征時の移動もダラダラしない
  • 練習時に許可なく指定されている場所以外に行かない
  • 与えられた時間を無駄にしないで練習する
  • 与えられた仕事は責任をもっておこなう
  • 無断欠席、遅刻、早退はしない
  • 先輩や幹部の指示に従う(でも~、だって~、は言わないように)

とにかく向上心!全力で活動!

吹奏楽は、部員総動員で行うイベント、選抜で行われるコンクールやコンテストなど様々な活動を行います。

特にコンクールやアンサンブルコンテストなどは、人数によっては校内での選抜チーム(や選抜された人)のみが出場できる場合もあります。

某アニメでもあるように、学年関係なく「実力主義」なところもありますので、校内オーディションなどが行われる場合は、先輩にも遠慮することなく前向きに取り組みましょう。

  • 先輩に悪いから練習はあんまりしないでおこう
  • 先輩を差し置いて出場することに気が引ける

というのは、先輩にとっても失礼に当たりますし、アンサンブルコンテストの場合ですとチームメイトの士気も下がるだけです。
「人をまとめる」というのは、こういう時に目に見える部分でもあります。

先輩に遠慮することなく、自分が良いと思う方法で活動を行いましょう。

幹部抜擢には同じ中学出身の先輩がいるほうが有利?

実は高校吹奏楽部では、新入部員が入った段階から、幹部をはじめとする先輩たちは「次世代の幹部候補生」を見定め始めています。

しかし指名決定権(?)は3年生の幹部にありますので、正直に言いますと選出において出身中学は全く関係ありません。

中学校では、1年生と3年生はほとんど接点がありません。3年生は夏のコンクールの練習に忙しいですし、1年生は主に副顧問から基礎的な練習を叩き込まれているころです。3年生は夏のコンクールで敗退が決まれば即引退となるため、1年生とほとんど会話することがないのも珍しくありません。(部員が少数のところは1年生から大会の出場もあるかもしれません。)

ですので、たとえ同じ中学出身だったとはいえ、それが選考基準に影響するかといえば全く影響はしないものと思われます。
仮に、「同じ中学出身」という気持ちがあったとしても、今は「全員が同じ高校の生徒」ですので、それほど特別なことにはなりません。

まあ、「共通の話題がある」ということで先輩との距離を詰めることはできますが、そのあとは本人の努力次第となりますので、そこはお間違えなく。

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さいごに

今回は、1年生にして吹奏楽部の幹部に抜擢された娘の話をもとに、まとめてみました。

中学校と高校では、部長一つとってもその役割も大きく異なり、実際には高校の吹奏楽部の幹部のほうが役割としては、かなり重要なものであると感じました。

今度は市内の各高校から「吹奏楽部幹部代表」が会場校に集まって話しあう「幹部会」なるものもあるそうです。まだまだ、知らない仕事がありそうな「幹部」ですが、娘には頑張ってもらいたいと思います。

そして、今後高校吹奏楽で部長や幹部を目指している子も、周りから認められる生徒を目指して頑張ってくださいね。まじめであれば、なれますよきっと。

 

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